研究課題/領域番号 |
22K18405
|
研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
|
研究分担者 |
峰松 健夫 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00398752)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70547827)
大貝 和裕 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(保), 准教授 (40706983)
紺家 千津子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20303282)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
|
キーワード | 創傷アセスメント / 褥瘡 / 滲出液 / エクソソーム / miRNA |
研究実績の概要 |
治癒に数か月以上を要する褥瘡の治癒期間を短縮するために、本研究では創部に貼付した創傷被覆材が創の上で自動的に創部アセスメントを行う『on woundアセスメント』を提唱し、滲出液エクソソームとの融合能を有する人工リポソームを固相化した創傷被覆材を開発する。人工リポソームにはmiRNAを体表温度を利用して特異的に増幅する低温反応性LAMP反応液を充填する。本目的を達成するために、(1)褥瘡滲出液のエクソソームおよびエクソソームmiRNAの分析、(2)人工リポソームを使った滲出液エクソソームmiRNA検出技術の確立、(3)人工リポソームを固相化した創傷被覆材の作製、および(4)滲出液miRNA検出能を備えた創傷被覆材の妥当性および効果検証を、臨床調査、In vitro実験、動物実験を組み合わせて実施する。 本年度は、(2) 人工リポソームを使った滲出液エクソソームmiRNA検出技術の確立を重点課題として、A)人工リポソーム作製法の確立、およびB)miRNA検出技術の確立に取り組んだ。 A)人工リポソーム作製法の確立では、1,2-ジ-(9Z-オクタデセノイル)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン (DOPC)、およびエクストルーダーを用いて直径50および200 µmの人工リポソームの作製法を検討した。作製されたリポソームの粒子径を測定し、それぞれ直径80および220 µmを中心としたリポソームが作製できたことを確認した。 B)miRNA検出技術の確立では、miRNA検出技術の核となる低温反応性RT-LAMP法と増幅遺伝子の可視化に関する研究を継続し、37℃におけるRT-LAMP法による、RNAをテンプレートとした遺伝子増幅を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リポソーム作製および低温反応性LAMP法の開発を含む技術開発はおおむね順調に進行しているが、当初予定していた動物実験による検証やリポソーム固相化創傷被覆材の作成には至っておらず、総合して「やや遅れている」とした。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)褥瘡滲出液のエクソソームおよびエクソソームmiRNAの分析では、まず全層欠損創モデルマウスを用いて滲出液中エクソソームの分析を行うとともに、創傷被覆材からエクソソーム抽出の可否およびその方法を検討する。抽出法を確立できた際には臨床検体の分析を試みる。 (2)人工リポソームを使った滲出液エクソソームmiRNA検出技術の確立では、ひきつづき人工リポソーム作製法および低温反応性RT-LAMP法によるmiRNA増幅方法の確立を試み、リポソームへの検出系の導入、ならびに滲出液エクソソームとの融合によるmiRNA増幅の可能性を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和6年能登半島地震の影響で、当初予定していた動物実験が実施できなかったため。
|