研究課題/領域番号 |
22K18432
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
高橋 晃周 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (40413918)
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研究分担者 |
渡辺 佑基 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (60531043)
國分 亙彦 国立極地研究所, 先端研究推進系, 助教 (90580324)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 動物行動 / 海洋生態 / 生態系保全 / バイオロギング |
研究実績の概要 |
本研究は水圏大型動物の保全にとって特に重要な生息域をリアルタイムで特定する技術を開発することを目的としている。動物に記録計を装着するバイオロギング技術と衛星データ通信を組み合わせたシステムを開発し、データ回収の問題からこれまで調査が難しかった水圏大型動物の詳細な行動・生態の遠隔的な観測を行い、海洋保護区等の適切な設置に資する知見を得ることを目指す。本課題の1年目にあたる今年度は、バイオロギング機器を水圏大型動物に装着することで取得できるGPS、深度、加速度といった詳細な位置や行動のデータを衛星データ通信により取得するシステムの開発に着手した。国内外のバイオロギング機器・衛星データ通信に関連するメーカーと協力して新規機器のアルゴス衛星との通信テストを実施し、改良を行っている。また、高い時間分解能でサンプリングした加速度の記録から得られる捕食行動などの詳細な動物の行動情報を、衛星データ通信によって送信できるまでの小さな容量に効率的にデータの抽出・圧縮を行うアルゴリズムを、ペンギンやアザラシなどから得られた既存のデータセットを用いて検討した。また、南極域や北海道周辺海域など、調査海域ごとに異なるアルゴス衛星データ通信の送信容量の上限や最適なデータ送信間隔についても検討を行った。さらに、来年度から実施する予定の南極昭和基地でのアデリーペンギン、北海道天売島でのウトウの野外調査に向けた機器の準備や関係者との打ち合わせ、調査許可申請等の調整も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
衛星データ通信に対応した記録計の開発が新型コロナウイルス感染症拡大に伴う部品供給・調達の停滞や海外での野外調査機会の減少により遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大以降、海外での野外調査には制約が大きくなり、調査の対象とできる個体数が少なくなるなど記録計装着の機会が減少している。今後は、国内の海鳥などについても研究対象を広げ記録計開発のための野外調査の機会を確保することで研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
衛星通信を可能とする記録計の開発が遅れており、一部の納入が来年度に持ち越した。来年度予算と合わせて記録計の購入に当てる計画である。
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