• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

人工物を介した志向性と責任概念の変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18444
研究機関東北大学

研究代表者

直江 清隆  東北大学, 文学研究科, 教授 (30312169)

研究分担者 高浦 康有  東北大学, 経済学研究科, 准教授 (00340216)
松井 亮太  山梨県立大学, 国際政策学部, 講師 (20897441)
金光 秀和  法政大学, 人間環境学部, 教授 (50398989)
上杉 繁  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80350461)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード人工物の哲学 / 集団志向性 / 共同責任
研究実績の概要

2022年度は、研究の初年度として、先行研究のレビューに基づいた共同責任の理論のための基礎的な作業と、集団志向性が問題となる場の調査のための予備的な作業を行った。従来、技術的人工物による人間の知的な能力や運動能力の変容について、デン・アイディが示した人間と技術の基本的関係である身体化関係、解釈学的関係、他者的関係、背景的関係の関係を基軸に議論がなされてきたが、この議論を集団的営み、とりわけディレンマを含むような集団的営みへと拡張すべく、現象学、認知科学、生態心理学などに基づく文献のサーベイを行い、理論構築を試みた。その暫定的成果については、研究協力者とともに2019年前半の国内及び国際学会で行うワークショップで報告し、検証する。また、2022年の科学技術社会論学会のにおけるパネルの前後に国内の研究者と共同討議を行い、そのなかで、技術的知識が国境や学問領域を超えていかなる広がりをもつかについて検討を加え、今後の聞き取り調査を通じた作業のための土台とした。同時に、本研究の聞き取り調査の予備作業として、東北地方のある企業のを訪問し、経営学の観点から予備調査を行った。同センターは、電気工事等における事故や危険を再現・体験できる施設で、元来は同企業の協力会社を含む従業員向けの体験施設であるが、地域を含めた安全啓発意識をコミュニティで醸成していくプロセスとして、本研究の調査の参考になる予備調査とすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論形成の作業に関しては順調に進行している。ただ当初、理論研究と平行して企業への聞き取り調査の予備調査を進める予定であった。聞き取り対象となる企業の側との折衝に手間取り、聞き取り調査の予備調査が2023年度にずれ込むことになった。

今後の研究の推進方策

引き続き人工物に介した責任の変容に関する理論的研究を行う。2023年6月に東京で開催されるThe Society for Philosophy and Technologyにおいて海外、とりわけ東アジアの研究者とのネットワークを形成し、日本と海外との比較研究への端緒を開く。また、理論的研究と並んで現地調査を実施し、「認知者・使用者・設計者」間の協働関係、認知の相互補完関係を調査する。調査に当たっては研究倫理委員会の審査を経る。また、必要に応じて協力者を募る

次年度使用額が生じた理由

2022年度に聞き取り調査の予備調査を行う予定でいたが、やむを得ない理由で2023年度に繰り延べになった。2023年度に本調査と合わせて実施する予定でいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 地域企業のためのSDGs経営2022

    • 著者名/発表者名
      高浦 康有
    • 雑誌名

      みやぎ工業会レポート MIA REPORT

      巻: 144 ページ: 15-17

  • [学会発表] 棒と器:人間-技術関係の原型について2022

    • 著者名/発表者名
      上杉繁
    • 学会等名
      ヒューマンインタフェース学会 デザイン思想・哲学専門研究委員会談話会・ワークショップ

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi