今後の研究の推進方策 |
改めて実施した文献調査の結果、本研究の着目点として独創的な点としての、文化伝達実験については、サルでの実験状況は相変わらずほぼない状況だったが、図形に対するアプローチとしてヒトで実験された研究を発見したが、その論文では計画段階で予定している、中点や特異的な図形点に対する記憶・再現はむしろ弱いといった報告となっており(Langlois, T. A., Jacoby, N., Suchow, J. W., & Griffiths, T. L. (2021). Serial reproduction reveals the geometry of visuospatial representations. Proceedings of the National Academy of Sciences, 118(13))、本計画の予測と逆である点が確認でき、検証するべき点が明瞭となったと言える。それを踏まえて、なぜ、Langlois 他2021では、図形頂点や重心といった「ランドマーク」位置に対する再現性が悪いのか、また、どの条件が付与されると、再現性が高くなるのかなどについてのヒトを対象にした実験を計画する。それらの結果と、ニホンザルでのデータとの付き合わせを行い、論文として出版できるようしたい。また、ポスドクを引き続き募集して、迅速な成果発表につながるように計画を進めていく。
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