研究課題/領域番号 |
22K18455
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
笹田 朋孝 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90508764)
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研究分担者 |
中西 哲也 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (50315115)
田中 眞奈子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (70616375)
山末 英嗣 立命館大学, 理工学部, 教授 (90324673)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 考古学 / 文化財科学 / 考古金属学 / 学際的研究 |
研究実績の概要 |
日本には欧米のアーケオメタラジー(考古金属学。考古資料などから金属と人の歴史を総合的に明らかにする学問領域)に直接対応する研究領域が存在しておらず、複数の既存の学問領域のニッチとして存在している。そこで幕末の近代産業化遺跡(とくに反射炉)の学際的研究などを実践し、出土金属資料に対する考古学・冶金学・鉱山鉱床学・文化財科学の専門家がそれぞれの専門性を活かしながら実証的な学術研究に取り組む。また海外の研究者と共同研究を活発に実施し、人と金属の歴史に関する研究成果を国内外に積極的に発信することで、アーケオメタラジーに対応する研究領域を国際的に展開することを目的とする。 今年度はオンラインで研究内容の打ち合わせを実施した上で、それぞれの研究を進め るととともに、一部の成果を学会等で発表した。5月には韓国で古代銅生産に関わる国際シンポジウムを開催し、その翌週には長登銅山でワークショップを開催した。実地調査については佐賀県佐賀市で幕末の産業革命遺産の調査を実施すると共に、秋には長登銅山跡で古代銅生産に関する復元実験に参画した。そして3月の日本鉄鋼協会春季大会では国際セッション"Recent advances in analytical techniques for metallic cultural heritage studies -Mainly focusing on the use of synchrotron radiation, neutron, and muon- (金属文化財の分析技術の最新動向ー量子ビーム技術を中心にー)"を開催するなど、多角的な議論、学際的な交流を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多布施反射炉や長登銅山の調査研究の実施や国際セッションの開催など予定通りに行うことができたから。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の成果をふまえて、各自が研究を推進する。そして当初から行なってきた幕末の産業革命遺跡の研究以外にも古代銅生産をテーマとして韓国と国際共同研究を継続するとともに、日本鉄鋼協会春季大会で国際セッションを開催し、欧米の研究者との活発な研究交流を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
別の科研に新規で採択される、あるいは繰越した科研費の執行などがあり、当初の予定と異なり予算が余ってしまいました。次年度の海外調査や国際シンポジウムなどで執行します。
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