研究課題/領域番号 |
22K18470
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横川 博一 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (50340427)
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研究分担者 |
籔内 智 京都精華大学, メディア表現学部, 教授 (30324833)
鳴海 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (40736154)
濱田 真由 神戸大学, 大学教育推進機構, 助教 (40828696)
里井 久輝 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (70388643)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 単語連想課題 / 語彙連想ネットワーク / バリンガル・レキシコン |
研究実績の概要 |
語彙ネットワークデータベース構築のための本調査に向けた予備調査を行い,刺激語や調査方法の妥当性を検討する。代表者・分担者らが過去に実施した単語連想課題では,日本語および英語の名詞(具象・抽象名詞および上位カテゴリー語)20語のみを調査対象としたが(Kikuchi et al, 2001; Yokokawa et al., 2002),本研究では,さらに調査する品詞は動詞に限定するが,語数を増やし,意味・統語ネットワークを調査することとし,2022年度はその第1弾として,CEFR-J A1ランクの英語単語318語を抽出し,それに相当する日本語単語649語を選定し,単語連想調査を実施した。調査対象者は,19~28歳までの男女50名,TOEICスコアは400点台~900点までさまざまであった。 また,中国語を母語とする英語学習者を対象として,母語(L1)と外国語(L2)の語彙ネットワーク形成に意味カテゴリーの範囲の違いがどのように影響しているかを心理言語学実験を通して明らかにした。L2使用には語彙と統語レベルでしばしば誤用が生じるが,語彙サイズや知識の深さだけでなく、脳内に形成される語彙ネットワーク構造が大いに関係していると考えられる。本研究では,中国人英語学習者34 名を対象に単語連想課題を行った結果,連想語数,連想タイプによる連想語数の違いなどにはL1 とL2 の間に大きな違いは見られず,L1 とL2 の意味カテゴリーの範囲の違いが連想語に反映されていることなどが明らかになった。これらの結果に基づき,L2 語彙習得について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単語の選定および単語連想課題のパイロット調査に少々時間を要したが,いわゆる基本英単語のうち初級レベル(A1)レベルの単語およびそれに相当する日本語単語については調査委を終えることができたためおおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に収集したデータの分析・考察を進めるとともに,CEFR-Jの初級から中級(A2~B1)レベルの英語単語およびそれに相当する単語連想課題調査を実施し,分析・考察を行う。 また,語彙的プライミング課題(ある刺激語を提示し,それに続いて提示される語の語彙性を判断する課題)を用いて,判断時間等を主な指標として,語彙間の関連強度を推定する。これらの結果をすべて数値化し,学習者の英語熟達度(Oxford Quick Placement Testを予定)との関係性を分析する。研究の遂行にあたっては,横川が調査計画の方針を策定し,籔内・里井を中心に刺激語の選定,鳴海・濱田を中心にウェブ調査システムの構築,収集データの整理を行う。データ収集は代表者・分担者の研究機関を中心に実施し,全員で観点別に分析・考察を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
???
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