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2023 年度 実施状況報告書

イストリア半島における風土と詩学を巡る学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18478
研究機関北里大学

研究代表者

三田 順  北里大学, 一般教育部, 准教授 (20723670)

研究分担者 武村 知子  一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (60323896)
奥 彩子  共立女子大学, 文芸学部, 教授 (90513169)
石井 沙和  東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (10779325)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワードイストリア / 植林 / カルスト / 黒松
研究実績の概要

本年度前半は本研究で対象とするイストリア地域の風土についての知識を深めることを主目標とした。研究会において、この地域を特徴づける「カルスト地形」とそれに起因する石灰質の痩せた土地を克服するために十九世紀末から政府主導で推進された黒松の植林が今日どのような結果をもたらしているのか基本的な知識を共有した。七月にはウクライナから専門家を招き、境界地域研究のモデルケースとして、カルパチア山脈に歴史的に居住し、国境を越えた広がりを有するフツル文化について学んだ。夏期休暇中には本科研の構成員でイストリア地域のフィールドワークを行い、現在の植生や地形についての見分を広げた。年度末にはこの地域で書かれた各言語文学の歴史について各担当者が発表を行い、イストリアの多言語文化性の概要を共有した。さらに音楽学の専門家に無形世界遺産となっている「イストリア音階」とその演奏法についての講義を依頼し、語圏を越えて共有されうる非言語文化の可能性について議論することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた現地でのフィールドワークを実施し、イストリア半島における各言語文学の概要を把握することができた。加えてこの地域特有の音楽文化についての新たな知見を得ることができた。

今後の研究の推進方策

最終年度にあたる次年度は、年度前半に専門家を招いて、地理学、および言語学、音楽学の知識を補強する。そして年度末に開催予定のシンポジウムにおいて各自が研究成果を発表する。

次年度使用額が生じた理由

年度末に計画していた海外での調査の一部が日程の都合上行えなくなったため、次年度使用額が生じた。この調査は来年度夏に実施する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] カルストと植林の歴史2023

    • 著者名/発表者名
      三田順
    • 学会等名
      第四回イストリア研究会
  • [学会発表] 〈ナショナル・インディファレンス〉の舞台としてのイストリア2023

    • 著者名/発表者名
      山崎信一
    • 学会等名
      第四回イストリア研究会
  • [学会発表] トリエステ・ドイツ語文学史概観2023

    • 著者名/発表者名
      三田順
    • 学会等名
      第六回イストリア研究会
  • [学会発表] 三つのイストリア2023

    • 著者名/発表者名
      山崎信一
    • 学会等名
      第六回イストリア研究会
  • [学会発表] イストリア音階考―その構造から演奏手法まで―2023

    • 著者名/発表者名
      大迫知佳子
    • 学会等名
      第六回イストリア研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] Clothing, Symbols, and Rituals of the Hutsul Region in Parajanov's film Shadows of Forgotten Ancestors2023

    • 著者名/発表者名
      Oleksandra Salii
    • 学会等名
      第五回イストリア研究会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 描かれるイストリア概観:イタリア語作品に描かれるイストリアのイメージ2023

    • 著者名/発表者名
      石井 沙和
    • 学会等名
      第七回イストリア研究会
  • [学会発表] イストリア・クロアチア文学2023

    • 著者名/発表者名
      奥彩子
    • 学会等名
      第七回イストリア研究会
  • [学会発表] 映画にみるカルスト台地--戦争と政治を離れたとき「風土」に残るものはなにか2023

    • 著者名/発表者名
      武村知子
    • 学会等名
      第七回イストリア研究会
  • [図書] 東欧演歌の地政学2023

    • 著者名/発表者名
      伊東 信宏、イヴァ・ネニッチ、上畑 史、ステラ・ジブコヴァ、新免 光比呂、岩谷 彩子、輪島 裕介、奥 彩子、濱崎 友絵、高岡 智子、齋藤 桂、クララ・フルヴァティン、阪井 葉子、木村 颯
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      アルテスパブリッシング
    • ISBN
      4865592725
  • [図書] きつね2023

    • 著者名/発表者名
      ドゥブラヴカ・ウグレシッチ、奥 彩子
    • 総ページ数
      346
    • 出版者
      白水社
    • ISBN
      4560093709
  • [学会・シンポジウム開催] 第五回イストリア研究会特別企画「フツル―境界地域としてのウクライナ」2023

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公開日: 2024-12-25  

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