研究課題/領域番号 |
22K18517
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
北村 喜宣 上智大学, 法学部, 教授 (20214819)
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研究分担者 |
田中 良弘 立命館大学, 法学部, 教授 (10766744)
上山 泰 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50336103)
板垣 勝彦 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50451761)
尾形 健 学習院大学, 法務研究科, 教授 (60368470)
永野 仁美 上智大学, 法学部, 教授 (60554459)
釼持 麻衣 関東学院大学, 法学部, 講師 (50962065)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 意思能力 / 行政法 / 行政手続 / 実証研究 / 執行過程 |
研究実績の概要 |
初年度となる2022年度は、全体でのキックオフミーティングを開催するとともに、理論調査班および実態調査班がそれぞれ研究・調査を進めてきた。 キックオフミーティングは、2022年9月19日にオンライン形式で開催し、本研究課題に関する問題意識の共有と申請時からの研究計画の見直し方針の確認を行い、今後の研究の進め方などについて意見交換を行った。 実態調査班としては、2023年3月17日から19日にかけて高知県でヒアリング調査を実施した。具体的には、高知市総務部に対して、意思能力等に欠ける者への行政対応に関する法的課題について、高知市健康福祉部および高知市社会福祉協議会に対して、高知市における成年後見制度の利用状況や市長申立て、日常生活自立支援事業をはじめとする福祉サービスについて、四万十市の弁護士に対して、四万十市における成年後見制度の運用状況や高知弁護士会の取組みについて、四万十市社会福祉協議会に対して、法人後見業務や未来のあんしんサポート事業等について、それぞれヒアリングし、高知市および四万十市における意思能力等に欠ける者をとりまく状況や課題等を把握することができた。 また、理論調査班では、意思能力が必ずしも十分ではない当事者をめぐる状況についての法理論的な整理や、事前のリスク対処措置などに目を向ける近年の福祉国家論の背景にある理論的基盤の研究、認知症高齢者等の意思能力に欠ける者の医療や生活保護に関する裁判例の検討などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各自で国内調査や文献調査等を実施してきたが、全体での研究会の開催が1回にとどまり、各自の研究成果についての情報共有および議論を深めることができなかったため、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も引き続き、全国の自治体職員や関連団体へのヒアリング調査を実施し、意思能力等に欠ける者への行政対応の現状および課題を明らかにするほか、諸外国の法制度との比較を行うための海外調査の実施も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年3月に実施した高知調査のほかに、国内調査および海外調査が年度内に実施できなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は、複数の自治体で国内調査を実施するとともに、海外調査の実施も検討する。
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