研究課題/領域番号 |
22K18518
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
醍醐 龍馬 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (70802841)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 日本政治外交史 / 日露関係史 |
研究実績の概要 |
2023年度は、維新政府(1870-71)の対露外交に関し、西洋列強と並び立つことを目指した万国対峙の国是の下で進んだ樺太問題に対するその方針の変遷過程とその意義を英米競合の状況も踏まえながら分析した。ヨーロッパ諸国とアジア諸国との外交にダブルスタンダードで当たっていた明治政府の外交にとり、その双方の性格を併せ持つ隣国ロシアとの外交の特殊性を明らかにした。そして、樺太千島交換条約に至る交渉で日本側が形を変えながらも常に平等性を求めていった原点を当該期に見出した。現在は、以上の成果を論文として纏める作業に入っている。そのほか、1873年の征韓論政変におけるロシア要因を概説したものなどを日本外交史の教科書に寄稿した。 また、史料収集に関してはウクライナ情勢の影響で当初の予定であるロシアでの史料調査こそできなかったものの、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターをはじめ国内に所蔵されるロシア語史資料の収集・解読を進めることができた。また、自らが理事を務める東アジア近代史学会の大会(2023年7月2日)では、特集シンポジウム「東アジア近代史における「ロシア」という存在」を企画し司会を務めた。また、会長を務める日露関係史研究会でも、他研究会との共催も含め計5回の例会を実施した。特に、シベリア出兵史研究会との共催で実施した書評会では、他の時期を専門とする研究者との交流も深めることができ有意義な成果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度はウクライナ情勢の悪化によりロシアでの史料収集ができず、代わりに国内史料の収集に終始したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ウクライナ情勢の安定化がある場合はロシアでの史料調査を目指す。そうならない場合は、ロシアの書籍を輸入するなどして可能な限りの代替措置を検討して研究継続を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
ウクライナ情勢のため、当初予定していたロシアでの史料調査が不可能だったから。
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