研究課題/領域番号 |
22K18522
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
牛島 光一 筑波大学, システム情報系, 助教 (80707901)
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研究分担者 |
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10580079)
小西 祥文 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (40597655)
木島 陽子 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70401718)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 機械学習 / 民族優遇 / 開発政策 / 衛星画像 / サブサハラ・アフリカ |
研究実績の概要 |
研究の目的:本研究は衛星画像を用いた機械学習によって高度な統計的分析のためのデータセットを構築し、経済発展のための実証分析を行う。具体的には〔A〕データ構築:サブサハラ・アフリカの道路交通インフラの量・質に関する2000年以降のパネルデータを構築し、道路がどの民族の居住エリアにより多く建設されてきたかについて明らかにするさらに〔B〕実証分析:特定の民族への優遇があるほど、非効率な交通インフラ建設によって経済発展が遅れる、を検証する。
研究の実施:本年度は本研究課題の初年度にあたる。データ構築として、圧縮された画像を用いて、機械学習の精度を高めるための試行錯誤を行った。機械学習・転移学習に必要と思われるいくつかの手続きについて習熟した。教師データを大量に用いることができる国において、約94%の精度で、道路の舗装の有無を予測できるモデルを構築した。データ収集については、JAXAの第3回地球観測研究公募(レイトプロポーザル)に採択され、利用できるデータソースの選択肢が増えた。ALOS(光学)およびALOS-2(PALSAR)に関する画像をお借りする予定である。これまでの経済分野での機械学習では、夜の光の光度を利用した研究が多く、その次に多いのは光学衛星情報を利用した研究であった。PALSARの情報を用いた研究も僅かにあったが、技術習得のコストが高いと思われているためか、ほとんどなされていない。本プロジェクトではPALSAR情報の利活用についても開拓したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画にはなかったJAXAの第3回地球観測研究公募(レイトプロポーザル)に採択されたことで、光学衛星だけではなく、SAR衛星の情報も利用できるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、(1)機械学習・転移学習によって構築したモデルからパネルデータを構築すること、(2)サブサハラ・アフリカの衛生情報とGround truth情報の収集、を引き続き行う。現在は、予備的な機械学習モデルによるケニアの舗装道路パネルデータが完成している。ケニアでの手続きを他の国にも応用する。ウガンダ、タンザニア、南アフリカなどを対象とすることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助者による予定していた業務が想定よりも早く終わったこと、追加の業務(次年度以降に予定している業務)を依頼する研究補助者を見つけられなかったことにより、次年度使用額が生じた。
研究補助者を短期雇用することに使用する。当初の予定よりも多くの業務を依頼できる見込み。
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