研究課題/領域番号 |
22K18527
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
吉田 裕司 滋賀大学, 経済学系, 教授 (40309737)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 貿易個票データ / Two-way貿易企業 / 建値通貨 |
研究実績の概要 |
まず今年度については、研究期間が4カ月未満と非常に短い期間であった。その短期間の中でも、税関に提出された全ての輸出申告書・輸入申告書を電子データ化したデータベースの分析を開始した。(このデータベースで把握されていない貿易取引は、極めて少額の個人販売・購入か、密輸輸入となる。)財務省への利用申請が認められたデータは、2014年から2020年の7年間分となっている。 また、データには企業の私的情報が含まれているために、データ分析した結果については個々の企業が特定化されないための幾つもの条件が課されている。また、これらの条件を満たしているかを審査した後に限り、また審査対象となった分析結果に限り、公表が出来る。この条件は、科研費助成事業の実施状況報告書であっても同様であるために、今年度の分析結果に関しては未審査のため、詳細に記載は出来ない。しかし、以下に弊害の無い限りで研究実績の概要について記述する。 データ規模は7年間の輸出入で200ギガを超えるビッグデータである。これらのデータには、輸出入申告書に記載されているデータが全て含まれているために、本研究の目的には不必要なデータも多く含まれている。具体例としてあげると、申告企業の郵便番号や電話番号等である。最初のデータ処理は、研究分析に必要なデータのみに絞り込む作業となった。次に、必要なデータ処理は、データサイズがあまりにも大きいため、データは半年ごとに一つのファイルとしてまとめられている。そのため、7年間のデータとして用いる場合には、各半年において必要なデータのみに絞り込んだ後に、14つのファイルの統合が必要となった。その後、輸出データと輸入データが別々のファイルのために、さらにそれらの統合を行った。これらのデータベースを用いて、3月31日時点で輸出入企業×相手国×年単位のデータベースを用いた建値通貨に関する回帰分析に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究が8月25日付で採択されてから、9月初旬に清水順子氏(学習院大学教授)から財務総合政策研究所(以下、財総研)における輸出入申告書に基づく個票データの統計分析研究チームに参画の打診を受け、11月24日付で財務総合政策研究所の客員研究官として委嘱が完了した。客員研究官として財総研でのデータ分析業務に初めて着手したのは、12月12日である。そのため、令和4年度の研究期間は実質的には3カ月と3週間のみの限定された期間であったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年12月からデータ分析を開始してから、12月に2回、翌年1月に2回、2月に2回、3月に3回の頻度で、財総研にてデータ分析を行った。令和5年度にも、毎月2回から3回の財総研への訪問・データ分析を計画している。 研究成果の公表に関しては、データの秘匿性から、個々の取引や個々の企業が判別されるようなデータ分析の公表を未然に防ぐために、研究結果としての研究論文の公表には慎重な審査が設けられている。そのため、通常よりも公表までに時間を要するが、令和5年度前半まで、研究成果をまとめた英文での研究論文を財総研のDPとして公表する。また、国内外の学会でも発表を行い、国際査読学術誌に投稿する。 初年度が実質3カ月の研究実施期間しか無かったため研究期間の延長を計画している。具体的には、財総研における客員研究官の任命期間は令和6年2月28日までであるが、一年間の研究期間の延長願いを計画している。また、本科研費の研究期間に関しても一年間の延長願いを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究が8月25日付で採択されてから、9月初旬に清水順子氏(学習院大学教授)から財務総合政策研究所(以下、財総研)における輸出入申告書に基づく個票データの統計分析研究チームに参画の打診を受け、11月24日付で財務総合政策研究所の客員研究官として委嘱が完了した。客員研究官として財総研でのデータ分析業務に初めて着手したのは、12月12日である。そのため、令和4年度の研究期間は実質的には3カ月と3週間のみの限定された期間であったため。 今年度も2022年12月からは、毎月2回~3回の東京1泊出張を行い継続的にデータ分析を進めている。次年度には、データ分析のための東京出張を毎月2回~4回に増やして、積極的に研究業績を出せるように尽力する。また、次年度には国際学会で研究成果を発表することを計画している。 また、初年度が3カ月の研究期間とあまりにも短かったために、当初の二年間の研究期間を三年間に延長願いする計画である。
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