研究課題/領域番号 |
22K18528
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関口 倫紀 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (20373110)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | アルゴリズミック・マネジメント / 人的資源管理 / AI / ロボット / 行動変容 |
研究実績の概要 |
研究初年度であった令和4年度は、アルゴリズミック・マネジメントおよびその周辺領域における文献の渉猟を通した近年の研究動向の整理と、それを踏まえた実証研究の基礎となる文献の渉猟を行った後、海外研究者や大企業・中小企業の実務家との意見交換を行うことで、AI・ロボット・アルゴリズムの発展が職場に与える影響についての現状認識を整理した。まず、AI・ロボット・アルゴリズムと人的資源管理との関係についての研究論文を収集し、これらの新技術が人々の働き方に与える影響、例えば、AIやアルゴリズムの導入が、従業員に対するモニタリングの強化を通して組織における権力構造に与える変化などについての現在の研究動向を整理した。また、AIやロボットとの職場におけるコミュニケーションの今後の見解を探るため、脳科学・神経科学と組織行動論の接合領域に関する文献を収集し、経営学研究における人間の脳活動測定方法の応用について検討を行った。さらに、まだ実現しない未来におけるAI・ロボット・アルゴリズムとの協働のあり方を探るため、思考実験という方法に着目し、思考実験の方法論について、文献収集を進めることで、その特徴や長所・短所を含めた本研究への適用可能性について検討を行った。これらの学術的知見の現状把握や方法論の理解を踏まえ、海外研究者との国際共同調査の可能性について検討を行い、大企業や中小企業における人的資源管理の現状とAI・ロボット・アルゴリズムを想定した未来展望について、実務家との意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去数年間の新型コロナ感染症の影響で立ち遅れていた他の研究プロジェクトを推進しつつ、本研究課題の第一ステップとして文献収集および分析、海外研究者や実務家との意見交換や聞き取りを行ったため、本研究課題に費やす全体的な稼働時間の不足と挑戦的な要素を含む本研究の試行錯誤に伴う進捗の停滞が若干見られた。その結果、実証研究の実施や論文の作成といった具体的なアウトプットの生成についてはやや遅れていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降は、前年度から行っている関連文献の渉猟を引き続き行うことで、多分野にまたがる学際的要素の強いAI・ロボット・アルゴリズムと人々の働き方の接合領域に関するこれまでの研究の潮流と今後の方向性についての全体像を把握し、展望論文の作成や真に必要な実証研究の姿を明らかにしていく。それと同時に、新しい理論枠組みを生成したり、そこから導かれる仮説を検証するための実証研究について、伝統的な手法のみならず、思考実験や脳活動の測定など、新しい方法を活用する方向性を検討していく。AI・ロボット・アルゴリズムと人的資源管理の企業事例については、引き続き、実務家への聞き取りや対話を通して、ケース作成のための資料を収集していく。さらに、国際学会への積極的な参加などを通して同様の研究関心を持って研究を進めている海外研究者や研究グループとの交流を深め、国際共同調査の実施の可能性を探っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
過去数年間にわたる新型コロナ感染症の影響で積み上がっていた他のプロジェクトの遂行と並行したために本年度に本研究の遂行に割り当てる時間が不足したこと、また、依然として国際学会出席のための海外出張に対しては懸念材料が多かったために、予定していたものをオンライン参加に変更したことなどによる。次年度は、前年度に行けなかった国際学会への参加や調査出張を再開することで、元々前年度行う計画であった活動のために予算を執行していく。
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