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2023 年度 実施状況報告書

近世期地域労働力市場の日英対比研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18532
研究機関愛媛大学

研究代表者

高橋 基泰  愛媛大学, 法文学部, 教授 (20261480)

研究分担者 村山 良之  山形大学, 大学院教育実践研究科, 客員研究員 (10210072)
石黒 聡士  愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90547499)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード近世期地域労働力市場 / 日英対比 / 市場経済形成期 / デジタル・アーカイヴス / GIS時系列的マッピング
研究実績の概要

本研究は、既存の研究成果を踏まえ、近世期日本と英国の地域的労働力市場の重層的社会構造に焦点をあてた実証データ分析により、従来の人口史や労働力市場研究の定式化された労働力市場論を再検討し、市場経済形成期に固有の地域的労働力市場論を構築する。大規模データセットと歴史 GIS を用いたデジタル・アーカイブスの関連項目の時系列的マッピングを含め、この挑戦の目的は、世代間を貫く系譜的遷移と地理的展開とを統合する新たな労働力市場史の開拓であり、文科系データ資源のリサイクル最大限活用である。本研究計画の主要な項目である日英近世農村労働力データベースの構築進めた。とくに本研究計画の海外共同研究者である英国ケンブリッジ大学リー・ショー=テイラー教授が研究所長である、ケンブリッジ大学人口と社会構造の歴史研究グループにおける2003 年以の大型プロジェクト研「英国職業構造の研究」を含む20年来の研究プロジェクトのデータ活用を開始した。その対比的アプローチのため、ショー=テイラー教授を学術振興会海外研究者短期招へい2023年度第2期の招へい研究者として招き、本研究計画と同題の国際公開セミナーを開催した(愛媛大学、2024年3月9日)。また、それに先立ち、研究代表者は前年度英国において英国における重点研究対象地として訪れたシュロップ州ミドル教区における教区徒弟の年金制度についての新史料について、本研究の角度から考察を加
えた分析(「近世英国シュロップ州ミドル教区徒弟雇用年金に関する新史料」)にくわえて、本研究計画の柱の1つである対比経済史における系譜学的アプローチについての論考をまとめている。(「社会的DNA(系譜学的重層共同性)への対比経済史アプローチ」参照業績)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記海外共同研究者である英国ケンブリッジ大学リー・ショー=テイラー教授を学術振興会海外研究者短期招へい2023年度第2期で招へいするのは10月の予定であり、そこでの議論および調査をふまえ、年末年始に英国にチームとして出張し、追加調査および議論を深化させ、研究を収束させることを期していた。しかし、ショー=テイラー教授が体調を崩し、年末まで入院し、回復し、来日できたのは3月になった。そのため、半年ほどの遅れが生じている。他方、扱うデータがデジタル化されているとしても、圧倒的に大量であるため、当初の予定よりも多くの時間と労力を要することも判明している。

今後の研究の推進方策

上記の理由により、1年延長となった本研究計画を首尾良く完了する。

次年度使用額が生じた理由

全体として予想以上に扱うデータが膨大となっており、その分析に時間を要すること。②海外共同研究者で2024年3月に学術振興会海外研究者短期招へいを予定していた招へい研究者が病気のため来日を延期またはキャンセルせざるをえなくなり、対比研究の対象である英国のデータ分析が遅れをとっているため。本年度はその遅れを取り戻すことを期している。

備考

OZ.GEDCOM(国際比較研究会)本研究計画の成果の一部として、日置昌一編『日本系譜綜覧』(日本の家系と系譜を集大成した書。昭和11(1936)年刊行。復刻・縮刷版)。本書のEXCELによるデジタル化は800頁全体で5万件がそれぞれの系譜に収録されている。そのうち25000件ほどをMacFamilyTreeによりGEDCOM形式で立体的に表現した立体家系図群を統合して表現している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ケンブリッジ大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      ケンブリッジ大学
  • [国際共同研究] ヘルシンキ大学(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      ヘルシンキ大学
  • [雑誌論文] 社会的DNA(系譜学的重層共同性)への対比経済史アプローチ2024

    • 著者名/発表者名
      高橋基泰
    • 雑誌名

      愛媛大学法文学部論集. 社会科学編

      巻: 56 ページ: 1-17

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 近世英国シュロップ州ミドル教区徒弟雇用年金に関する新史料:A Book of Accounts of the Annuity left to the parish of Myddle by William Gough2023

    • 著者名/発表者名
      高橋基泰
    • 雑誌名

      愛媛大学法文学部論集. 社会科学編

      巻: 55 ページ: 1-21

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Introduction : A Contrastive Study of Trust and Communality in Rural Japan and Northern Europe2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Motoyasu, Moring, Beatrice
    • 雑誌名

      愛媛大学法文学部論集. 社会科学編

      巻: 55 ページ: 23-37

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 信用と共同性の日本および北欧農村対比研究序論2023

    • 著者名/発表者名
      高橋基泰, ベアトリス・モリング
    • 雑誌名

      愛媛大学法文学部論集. 社会科学編

      巻: 55 ページ: 39-52

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Savings Institutions in Eighteenth Century Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Motoyasu Takahashi
    • 学会等名
      ESSHC (European Social Science History Conference), Gotenburg University, Sweden(国際学会)
    • 国際学会
  • [備考] OZ.GEDCOM

    • URL

      https:// www.ozgedcom.online

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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