研究課題/領域番号 |
22K18535
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清田 耕造 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 教授 (10306863)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 対日直接投資 / グラビティ・モデル / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、対日直接投資がなぜ世界で最も低水準にとどまっているのかを解明することにある。本研究では、対内直接投資の研究に、データ・サイエンスの分野で開発の進んでいる機械学習の手法を取り入れる。具体的には、グラビティ・モデルの分析に、機械学習の手法を導入する。
対内直接投資のデータは経済開発協力機構(OECD)から得た。また、グラビティ・モデルの変数はフランスの研究機関であるCEPIIから得た。また、その他のコントロール変数として、税や為替レートなど、これまでの文献で用いられてきた変数だけでなく、政府債務比率や高齢者比率など、これまでのグラビティ・モデルでは用いられていない投資受入国のマクロ経済状況を示す変数を利用する。これらのデータは先のOECDとCEPIIに加え、国際通貨基金(IMF)や世界銀行(World Bank)の発表するデータから得た。
2023年度は予備的な分析としてベイズモデル平均化法による分析を行った。この目的は、機械学習で得られる結果とその他の方法で得られる結果に大きな違いが生じないかどうかを確認するための作業である。この結果を書籍として出版した。これに続き、対日直接投資を機械学習で分析したところ、ベイズモデル平均化法と同様の結果を得られることができたが、他国について同様の分析を行ったところ、日本と他国では異なる結果が得られることがわかった。そこで現在は対日直接投資の分析からより広くOECD加盟国へと対象国を拡張して分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習の分析については、日本からOECD諸国へと分析を拡張しているという点で分析に時間を要している。しかし、文献のレビュー、およびデータの整備は予定通り進んでおり、また予備的なベイズモデル平均化の分析でも結果を得ることができており、書籍を刊行するに至った。これらを総じて、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年度の2024年度は、当初の予定を拡張し、対日直接投資の分析からより広くOECD加盟国へと対象国を拡張して機械学習の手法を用いた分析を進める。
具体的には、OECDの一国をテストデータ(test data)、それ以外の国を訓練データ(training data)、機械学習の正則化の手法によってテストデータをうまく予測できるような変数選択とパラメータの推定を試みる。すなわち、正則化により対内直接投資の実績値とグラビティ・モデルの予測値の乖離の縮小を試みることで、現在の対内直接投資を予測できるような説明変数を特定する。この結果をまとめ、国内外の学会・研究会で報告する。また、分析の精緻化と結果の頑健性の確認を行い、最終的な成果を取りまとめる。さらに、分析の結果を学術雑誌に投稿し、学術論文として発表することを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時点で予定していた消耗品を見送ったことにより、次年度使用額が生じた。 2024年度の交付額と合わせることで、消耗品の購入に活用したいと考えている。
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