研究課題/領域番号 |
22K18541
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
田口 聡志 同志社大学, 商学部, 教授 (70338234)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | リーダーシップ / AI / 信頼 / 組織の経済学 |
研究実績の概要 |
本研究は、パンデミック下の不確実性の高い経営環境において、企業経営者がAI(人工知能)やテクノロジーをどのように活用すれば組織内の相互信頼を醸成し企業価値向上を図ることができるか、また、そのような相互信頼を支える最適な経営管理システムとは一体何かを、理論的かつ実験的に検討することを目的とする。従来のHCI領域でなされたAIやロボットそのものに対する嫌悪や信頼の研究を超えて、本研究は、より経営実践的な場面での「AIを活用する人」に係る信頼研究の端緒となる。本研究では、AIやテクノロジーを活用したリーダーシップを「AI-Leadership」と定義し、パンデミック下の不確実性の高い経営環境において、リスクを統制し組織の相互信頼を紡ぎ束ね企業価値向上を図る最適な「AI-Leadership」とは一体何かを、理論的かつ実験的に検討する。 本研究の方法は2つある。第1はリーダーシップの経済学を応用した分析である。環境不確実下でテクノロジーを活用する/しない場合のリーダー・フォロワー間の協力や信頼のあり方をゲーム理論で分析する。もし分析の結果、両者が協力関係に至らないという場合には、どのような「仕組み」(経営管理システム)が協力や信頼を促すかを検討する。第2は、経済実験による理論の検証である。実験的手法は因果関係を捉える強力な手法であるとともに、デザインや変数の設定などの自由度が高く、まだ現実にはない仕組みの検証も可能となる。ここでは特に、部下(フォロワー)の上司(リーダー)に対する信頼に注目し、環境不確実性下でテクノロジーを活用するリーダーに対する信頼醸成のあり方や、それを支える経営管理システム(目標設定や業績評価等)のあり方を実験により検証する。 今年度は、主に前者に注力をして、議論を進めていった。その中で、パイロット的な実験もおこない、かつ全体像を展望する論文も執筆できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画にしたがい、研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、主に「概要」で示した後者に徐々に論点をシフトしていき、研究を進めていく予定である。 特に本研究の核となる経済実験を行い、データ分析を遂行していくことで、論文を執筆する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で、実験の執行予定が次年度となったため。次年度に、実験の参加者謝礼として利用予定。
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