研究実績の概要 |
2023年度は、まず前年度にインタビュー調査で収集したデータの分析を行った。分析の結果、医療ソーシャルワーカーが受けている(受けてきた)スーパービジョンは、Kadushinら(2014)の知見を支持しており、教育・支持・管理的スーパービジョンが相互に関係しながらスーパーバイジーに提供されていることが確認できた。また、スーパービジョンのパラレルプロセスの分析では、前述の3つのスーパービジョンがパラレルするものの、各々のパラレルプロセスの発生に起因する要因には特徴がみられることが明らかとなった。 以上のインタビュー調査の成果を手掛かりに、国内の医療機関2,528か所ならびに特定機能病院79か所、計2,607か所の医療機関に勤務する医療ソーシャルワーカー5,214人を対象としたアンケート調査を実施した。調査では、各医療機関2人の医療ソーシャルワーカー(上司(先輩)と部下(後輩)、各1人)に協力を依頼した(無記名自記式の質問紙調査)。配付した医療機関2,607か所のうち、4機関が廃院となっており、勤務上の理由により上司(先輩)のソーシャルワーカー3人、部下(後輩)のソーシャルワーカー2人が回答困難であった。回答は、上司(先輩)のソーシャルワーカー2,599人のうち525人(回収率:20.2%)、部下(後輩)のソーシャルワーカー2,600人のうち486人(18.7%)から得られた。
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