研究課題/領域番号 |
22K18564
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
光田 恵 大同大学, 建築学部, 教授 (40308812)
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研究分担者 |
萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20465470)
棚村 壽三 大同大学, 工学部, 准教授 (90612408) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢者生活 / 住環境 |
研究実績の概要 |
T&Tオルファクトメーター試薬を用いた嗅覚検査(5-2法試験)によって不合格、または再試験の被験者22名の検知閾値、認知閾値の測定を約3週間おきに合計8回行った。閾値測定を行うにあたり、基準臭Aと被験者それぞれの不合格になった基準臭もしくは再試験を行った基準臭(各被験者が臭気強度3と評価した濃度に希釈した試料)を使用して訓練するグループ、4種類のにおい(βフェニルエチルアルコール、ユーカリプトール、シトロネラール、オイゲノールを各被験者が臭気強度3と評価した濃度に希釈した試料)を使用して訓練するグループ、訓練をしないグループ3つのグループに分け、閾値の変動の比較検討が行えるようにした。嗅力訓練法については、綿花を丸めて入れた遮光瓶に濃度調整した試料をそれぞれ1mL入れ、訓練用キットを作成した。キットを被験者に渡し、被験者には、起床後・就寝前の1日2回、1回あたり2度(1度あたり15秒程度)においを嗅いでもらった。嗅力の改善については、臭気強度評価より認知閾値を求め、改善度合いを判断した。 その結果、訓練をしなかったグループよりも訓練をしたグループの方が、低濃度でもにおいが分かる割合が高かった。基準臭Aと被験者それぞれの不合格になった基準臭もしくは再試験を行った基準臭を使用しての訓練、4種類のにおいを使用しての訓練のいずれも嗅力の改善に効果があると考えられた。なかでも、基準臭Aが不合格であった場合に4種類のにおいで訓練を行ったグループ、基準臭Dが不合格であった場合に不合格試料(基準臭D)を用いて訓練を行ったグループが最も改善傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題2の「効果的なにおいの種類・濃度(強さ)の検討」について、今年度までの実験結果から把握できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、課題3の「効果的なにおいの嗅ぎ方の検討」について、効果的と判断された種類のにおいを用いて、「においを嗅ぐ頻度の検討」「1回当りの嗅ぐ時間の検討」を行い、課題4の「家庭で実施可能な方法の要点整理」を行い、課題5の「家庭で実施可能な嗅力の回復・維持・強化につながるにおい嗅ぎ訓練法確立に向けた課題の抽出・整理」に取り組む計画である。
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