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2023 年度 実施状況報告書

離日高度人材の移動とその規定要因に関する実証研究:アジアと北米の事例分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K18565
研究機関鈴鹿大学

研究代表者

松下 奈美子  鈴鹿大学, 国際地域学部, 教授 (00743642)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード高度人材 / 国境を越える移動 / 若年高度人材 / 技術者 / 東アジア / 北米
研究実績の概要

研究2年目の2023年度は主に日本から韓国に移動した人材について文献調査及び現地調査を行った。
日本から韓国に移動した人材を歴史的にみると、1970年代~80年代にかけての造船、1990年代の電機、半導体が中心であった。これらは主に日本での事業規模縮小にともなう人員整理等で、韓国に職を求めた移動であり、性別も男性が中心であった。しかし近年の韓国から日本への国際労働移動は、韓国に移動することが目的であり韓国での就職、就労は移動のための手段であるという移動が見受けられた。この傾向は日本人男性よりも日本人女性により多く見られた。2000年代以降の日本国内での韓国文化の伝播、人気にともない移動を決定したと考えられる。
その結果、日本での待遇より下がっても韓国に移動した事例が複数見られた。また、韓国人男性との結婚により、韓国へ移動し、韓国で就職したケースもあった。日本で国家資格が必要な専門職に就いていた場合でも、国家資格が韓国で認められない場合、日本で習得した専門的な知識や技術、資格を活かすことができず、日本語が求められる職種についている事例もあった。また、電気や半導体産業では日本人技術者が特許や知的財産権を持って韓国に移動した事例では国際的な産業価値が認められるが、例えば日本の教員免許や医療、看護、福祉関連の国家資格の場合、韓国でそのまま同じ職種に就くことが難しく、いわゆる経済的下降移動になっているケースも見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が今年度所属機関を変更したこともあり、今年度の研究にやや遅れが生じた。2023年度はアジアに関する調査研究に焦点を当てたため、北米に関する調査研究、特に現地調査が遅れている。

今後の研究の推進方策

今年度は本科研の最終年度となるため、韓国に移動した日本人に関する調査結果を論文にまとめて発表することと、遅れている北米への移動に関する調査研究を遂行し、研究成果としてまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

73,720円の繰越額が発生した理由は、トナーや印刷費などその他雑費として見積もっていた費用が想定よりもかからなかったためです。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Transition in Japan's Immigration Policy: An Analysis of the Formation Process of the 'Country of Choice' for Immigrants2023

    • 著者名/発表者名
      Hyejin Lee , Namiko MATSUSHITA , Rui YAMAGUCHI
    • 雑誌名

      Migration Research & Training Center Policy Report (KOREA)

      巻: 54 ページ: 13-43

    • 国際共著
  • [学会発表] 中国、韓国へ移動した日本人高度人材の国際労働移動に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      松下奈美子
    • 学会等名
      2023年度 在外韓人学会
    • 国際学会
  • [図書] クラスター化する高度人材の国際労働移動2024

    • 著者名/発表者名
      松下奈美子
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535540705

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公開日: 2024-12-25  

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