研究課題/領域番号 |
22K18571
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研究機関 | 鹿児島純心女子短期大学 |
研究代表者 |
大竹山 なつき 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 講師 (30849823)
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研究分担者 |
益満 孝一 鹿児島純心女子短期大学, その他部局等, 教授 (40296372)
赤間 健一 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (40469078)
石井 宏祐 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (30441950)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 里親支援 / 保育ソーシャルワーク / 保育専門職養成プログラム |
研究実績の概要 |
本研究「保育所等による里親支援等を含む多機能モデル構築と専門職養成プログラムの開発」は,里親支援等を含む要支援児童への支援を,保育所等が担う可能性を探るものである。 令和元年に児童相談所の児童虐待相談件数が19万件に急増し,適切な支援体制の構築が喫緊の課題とされている。令和2年度には,「保育所等における要支援児童等対応推進事業」が予算化され,保育士等が有する専門性を活かす子ども家庭支援が端緒についた。しかし,保育所等が社会的養護に関わる社会資源として検討されているものの,それらの可能性を探る研究は皆無である。要支援児童の日中の保育を担う保育所等が,支援に加わることの意義は大きい。そこで本研究は,里親支援等を含む要支援児童への支援を実現するための保育所等多機能モデルの構築を目指す。具体的には,保育ソーシャルワークの専門性と役割を明確化するとともに,専門職養成プログラムの開発について検討する。 初年度は,フォスタリング支援におけるニーズと専門性について知見をまとめ,里親専門員を対象に聞き取りを実施した。聞き取りでは,支援における困難として,支援員の育成の難しさが大きくあげられた。また,保育者を対象とした「保育所等に期待する里親支援のニーズについて抽出するための質問紙調査」及び「保育所等に潜在的に存在している社会的養護に関する支援ニーズ抽出及び保育ソーシャルワークの専門性検討のための質問紙調査」の質問項目の精査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度は,フォスタリング支援におけるニーズと専門性について知見をまとめ,里親専門員を対象に聞き取りを実施した。また,保育者を対象とした「保育所等に期待する里親支援のニーズについて抽出するための質問紙調査」及び「保育所等に潜在的に存在している社会的養護に関する支援ニーズ抽出及び保育ソーシャルワークの専門性検討のための質問紙調査」については,質問項目の精査に取り掛かったものの,新型コロナウィルス感染症流行禍の影響で,妥当性検討のための聞き取り調査(インタビュー)が叶わず,実施時期を変更せざる終えない状況であった。当初の計画から全体的なスケジュールが遅れているものの,研究の遂行に大きな影響はないと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に予定していた,質問紙を早急に作成し,保育士を対象に調査を実施する。保育士の学び機会や保育士養成カリキュラムに関する文献研究及び保育士養成校教員への質問紙調査の項目作成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた,質問紙作成のための聞き取り調査(インタビュー)が実施できなかったことで,全体的に研究工程が遅延し,使用額が予定より少なくなった。令和5年度は,令和4年度実施予定であった,聞き取り調査(インタビュー)や質問紙調査を複数計画しているため,印刷や郵送,データ入力などの外部委託,調査に関わる物品購入や書籍購入などに予算を利用する予定である。
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