研究課題/領域番号 |
22K18576
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 淳一郎 名古屋大学, 教育基盤連携本部, 准教授 (00402446)
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研究分担者 |
前 直弘 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (10796098)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 物理教育研究 / 科学教育 / 学習評価 |
研究実績の概要 |
当該年度(2023年度)において,デジタル画像実験(IBE)の開発の第一段階が完了した。具体的な実績は以下の通りである。 ①実験テーマとして「ホイートストンブリッジ回路の理解」「光学台の実験」の2テーマを設計し,各実験に関する設問群を開発した。また,各実験テーマを題材としたIBEの開発に向け,各実験の実施過程を動画および静止画で撮影した。 ②ベルリン自由大学を訪問し,Kirstein氏,Haase氏ら4名の研究者に6時間に渡って聞き取り調査を実施し,同大学におけるIBEの開発環境の詳細,ドイツの大学・高校におけるIBEの活用・普及状況,ドイツの物理教育におけるIBE の位置づけ(教育関係者の受け止め)について情報提供を受けた。本調査の結果,以下のことが明らかになった。(1)ベルリンおよびブランデンブルク州のカリキュラム・フレームワークには,高校物理(前期量子論)の教材としてIBE が例示されている等,ドイツ国内でIBEの普及が進んでいること。(2)ドイツの教師の中には,日本の教師と同様に,IBE が学校の授業で生徒が実験を行う機会を減らすのではないかと懸念する教師も一定数いること。このような懸念を払拭するには,第一に,IBE が実験に取って代わることはできないことを強調すべきであり,その上で,IBE および実験,各々の利点を定義すべきであること。重要なことは,“Find middle”,動画と実験の中間的な位置づけを探るべきということ。以上の聞き取り調査の結果について,日本物理学会2024年春季大会で口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では,2022年度中にIBEおよび設問群の開発に取りかかる計画であったが,COVID19の影響によりベルリン自由大への海外視察が翌年度に延期になるなど,予定通りに進まなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
Kirstein氏らの助言を踏まえ,IBEの開発を加速する。具体的には,ベルリン自由大学が展開するtetfolioのウェブアプリ「tetbox」等を活用することで,IBEの開発を効率化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響で2022年度に予定していたベルリン自由大への海外視察が2023年度に延期になるなど,研究計画に遅延が生じているため。
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