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2022 年度 実施状況報告書

次世代の健康格差縮小に資する学校における性教育の革新的体系の探究

研究課題

研究課題/領域番号 22K18596
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

北野 尚美  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40316097)

研究分担者 辻 真弓  産業医科大学, 医学部, 教授 (40457601)
関根 道和  富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30303225)
山田 正明  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (40377338)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード思春期 / 学校保健 / セクシュアリティー / 包括的性教育 / 生きる力 / 生活習慣 / 出前授業 / ポストコロナ
研究実績の概要

小中学校教諭の協力を得て健康教育について聴き取りを行った。学校でどのような学びの機会があるか、保健の科目の担当と教材、子どもたちの反応、教える側として心配や困っていることなど現場の声を集めた。単元「思春期のからだの変化」は教えづらく、複数の小学4年の学級がゲストティーチャーを依頼していた。教科書には見開き2頁(計4頁)に豊富な内容が掲載され、専門的な用語も複数登場した。科目間のつながりを示す記載は見当たらず、教科書に書かれている内容を小学4年生が理解できるには「接続」を意識した授業展開が必要であった。このことが担任教諭が苦手意識を持った理由の1つと考えられた。一方で、出前授業後の小学4年生の感想文には、「知ることができたのはよかった」「その時は保健室に行く」「背が低いがこれから伸びる」など、子どもによって心に響いた部分が異なったことが観察された。子どもの発達段階(縦)に合わせ、一般の科目での学習とのつながり(横)を考慮し、どう理解を促せば実生活に役立つ学びとして子どもの「生きる力」を育む授業と出来るのか課題がある。
研究協力が得られた自治体で母子保健と学校保健のデータを連結する仕組みについて聴き取りを行った。また、新型コロナウイルス感染症流行下における子どもの生活習慣病増加及び予防についてレビューを行い、第81回日本公衆衛生学会総会で発表した。①令和2年度学校保健統計調査で肥満の増加を認め、②令和2年に小中学生の保護者1千人を対象に実施した調査で「自宅で過ごす時間」が増え、「PCやスマートフォンを見る時間」が増えたなど生活習慣の悪化を認め、③令和3年に全国保険医団体連合会が小中高等学校約5千校の養護教諭を対象に実施した学校健診後治療調査で、要受診者の未受診率の増加を認めた。ポストコロナでは、ネットと共存を図りつつ生活習慣を改善すること、未受診者に対する対応が求められる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症流行に対する感染防止策が必要であったため、研究者間および研究協力者との研究打ち合わせや研究現場での活動に制限を必要としたため。

今後の研究の推進方策

子ども達が、健康について義務教育期間に学んでおく必要があると考えられる内容について、心身の発育発達や生活習慣、健康リスク行動はもちろん、職業・職場の健康課題である化学物質曝露や危険な作業環境、性差医学に関わる健康課題についても、他国の状況も参考にしながら吟味する。海外での包括的性教育の展開を参考に、日本において包括的性教育の視座から健康に関する学校における学びの機会を吟味する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行に対する感染防止策が必要であったため、研究者間および研究協力者との研究打ち合わせや研究現場での活動に制限があり、研究遂行が遅れたため。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Gender differences in housework and childcare among Japanese workers during the COVID‐19 pandemic2022

    • 著者名/発表者名
      Sakuragi Toshihide、Tanaka Rie、Tsuji Mayumi、Tateishi Seiichiro、Hino Ayako、Ogami Akira、Nagata Masako、Matsuda Shinya、Fujino Yoshihisa、for the CORoNaWork Project
    • 雑誌名

      Journal of Occupational Health

      巻: 64 ページ: e12339

    • DOI

      10.1002/1348-9585.12339

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳幼児健診結果と年中児のSDQ得点との関連:母子保健情報管理システム利活用研究.2022

    • 著者名/発表者名
      北野尚美、佐竹由貴、中本麻美
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 湯浅町年中児のSDQ得点分布と特徴:5歳児健診事業データの分析と可視化による利活用.2022

    • 著者名/発表者名
      佐竹由貴、中本麻美、北野尚美
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 新型コロナウイルス感染症流行下の母子保健事業を振り返って.2022

    • 著者名/発表者名
      亀井瑞生、津村千賀、北野尚美、鈴木孝太
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 子育て世代包括支援センター「にっこりあ」和歌山県御坊市の取組(第2報).2022

    • 著者名/発表者名
      津村千賀、亀井瑞生、北野尚美、鈴木孝太
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] コロナ禍における子どもの生活習慣病予防.2022

    • 著者名/発表者名
      関根道和
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会 シンポジウム16
  • [学会発表] 男性従業員の健診者における高血圧、糖尿病と産業分類との関連.2022

    • 著者名/発表者名
      山田正明、関根道和、立瀬剛志
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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