研究課題/領域番号 |
22K18609
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
片桐 正敏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00549503)
|
研究分担者 |
日高 茂暢 佐賀大学, 教育学部, 講師 (20733942)
富永 大悟 山梨学院大学, 経営学部, 准教授 (30795597)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
キーワード | ギフテッド / 知能 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
本研究は,当事者研究としてギフテッドの子どもの生きづらさを当事者本人によるインタビューと,基礎研究として認知特性(特に実行機能)の双方から検討を行い,生きづらさの要因を明らかにすると共に,有効な支援方法を提案することにある。 今年度は,全国のギフテッドの子どもと親への予備調査を実施する予定であったが,現時点では調査内容の精査に時間を要しており実施ができなかった。相談活動については10名程度の相談をうけ,半数程度の子どもと保護者の知能検査や他の心理検査などのデータを取得した。調査については,教育委員会と連携して,北海道内の小中高等学校の特別支援教育コーディネーターに対して,自校に知的能力の高い子どもがどれくらい存在するかを調査した。現在,データについては解析中である。インタビュー調査については,研究協力者のフィールドに赴き,2名のギフテッドの子どものインタビューを実施した。 今年度は,日本LD学会第31回大会において,シンポジウムを開催し,これまでの臨床実践の取組みの成果として,認知機能と情報処理の特異さからギフテッドの適応上の問題を研究代表者の片桐,分担者の日高,および研究協力者の小泉が発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は,年度途中の実施ということもあり,研究協力者との調整や調査内容の精査,インタビューの具体的内容の検討などを行ったため,実際の調査に取りかかることができなかった。ただ,教育委員会の協力を得て北海道内の小中高等学校の特別支援教育コーディネーターに対して調査を実施することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,親の会への調査研究のほか,当事者へのインタビュー調査と,それと並行して実行機能系の課題の実施を考えている。刺激提示ソフトを用いてWEB上でのデータ収集も検討している。インタビュー調査と実験については,札幌のほか,関東および関西,分担者のいる九州地方で幅広くデータの収集を行いたい。 これらと同時並行で,これまで実施してきた相談活動も行い,保護者への支援活動も引き続き行っていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,新型コロナウイルスの発生状況を見極める必要があった点および,萌芽研究自体が研究の採択が年度途中ということもあり,調査研究を主体に研究計画を立てていた。実際は思ったとおりの調査が難しく,次年度に持ち越してしまったこともあり,繰越金が生じてしまった。 次年度は,引き続き調査研究を進めることと,5類に移行したことによって実験研究を積極的に実施していく予定である。
|