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2022 年度 実施状況報告書

ポストコロニアルアプローチによる協働的学びの分析―先住民族の創造的学習プロセス

研究課題

研究課題/領域番号 22K18634
研究機関国際基督教大学

研究代表者

佐藤 千津  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (20271356)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード先住民族 / 協働的な学び / オラリティ
研究実績の概要

本研究の目的は、オラリティ実践の機能的特徴である共在性と協働性に着目し、社会関係資本の形成過程における教育・学習メカニズムを、先住民族コミュニティにおけるストーリーテリングの分析により明らかにすることである。従来の補償的意味合いの強いコロニアルな視点からではなく、先住民族の「権利」の視点に基づいた教員養成カリキュラムの開発を検討するなかで、先住民族出身の生徒や学生に共通する独自の学習スタイルを同定するに至った。この先住民族に共通するハビトゥスともいえる学習スタイルの特徴は、常に他者と協力して課題を解決しようとする共在性を基盤とした協働性にある。先住民族の学習スタイルの特徴をポストコロニアルな視点から捉え直し、教育の新たな理論的・概念的枠組みとそれに基づいた教育実践モデルの提示をめざすものである。
具体的な調査としては、オーストラリアの先住民族の集合的記憶に関するストーリーテリングを例に、多義的かつ多層的なオラリティ実践の相互行為のなかで社会関係資本の形成を前提とした協働的な学びがいかに創造され、継承されるのか、その方法と過程を分析する。
研究計画の初年度である2022年度は、オーストラリアの先住民族教育研究を行う日豪の研究協力者らと海外調査の内容と計画について調整を行うとともに、具体的な調査対象について検討を行った。また、基礎的な資料を共有しつつ、先住民族のオラリティ実践における知識・技術の継承メカニズムを分析するための概念枠組みについて検討し、分析の手順について確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画初年度の2022年度は、オーストラリアの先住民族教育研究を行う日豪の研究者らと海外調査の内容と計画について調整を行うとともに、具体的な調査対象について検討を行った。また、基礎的資料を共有しつつ、先住民族のオラリティ実践における知識・技術の継承メカニズムを分析するための概念枠組みについて検討し、分析の手順について確認した。

今後の研究の推進方策

2023年度は、オーストラリアの先住民族に関する調査を実施する。社会関係資本と教育事象に関する先行研究の多くは主に質問紙調査に基づく定量的調査手法によるものであるが、その関係性の解明には教育事象を探索的かつ詳細に分析する必要があるため、本研究では主に定性的調査手法を用い、先住民族出身の研究者を含む研究組織により調査を進める。また、日本を含むアジア・オセアニア地域の先住民族研究、特に協働的な学びの分析に関するリサーチノードや共同ラボ等の設置を試みつつ、国際共同研究の加速化を図りたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたのは、当初に実施を予定していた海外における調査が新型コロナウイルス感染拡大等の影響により実施できなかったためである。2023年度はオーストラリアの先住民族に関する調査の実施を予定しており、そのための物品購入や海外旅費等に使用することを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] モナシュ大学/クイーンズランド工科大学(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      モナシュ大学/クイーンズランド工科大学

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公開日: 2023-12-25  

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