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2022 年度 実施状況報告書

異種のテスト得点を等化するための手法の開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K18641
研究機関独立行政法人大学入試センター

研究代表者

石岡 恒憲  独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (80311166)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード欠測値補完 / 等化 / スタナイン / 分位点差縮小法
研究実績の概要

令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストから,平成30 年3月に告示された高等学校学習指導要領に対応して出題教科・科目の構成や内容等が変わることを期に,得点調整の在り方についての議論を行っており,大学入試センター得点調整検討部会では以下のような提言を行った。「平均点差を一定範囲内に収まるようにするという従来の調整方法を生かしつつ,段階表示の同段階間での得点差についても一定の範囲に収まるような実施条件・方法とすることが望ましい。」具体的には,従来の「20 点以上の平均点差が生じた場合」に加え,「15 点以上の平均点差が生じ,かつ段階表示の区分点差が20 点以上生じた場合」も,得点調整を実施することが適当と考える。区分点差とは,各科目の成績の段階表示(スタナイン)の各段階の境目となる,上から4%,11%,23%,40%,60%,77%,89%,96%の分位点(得点)の科目間の差をいう。併せて,得点調整の実施方法についても,従来の「平均点差が15 点になるよう,点数を調整する」だけでなく,「区分点差が最大15 点となるよう,点数を調整する」ことが望ましい。調整のアルゴリズムの詳細については,引き続き検討するものとされたが,我々は区分点差が最大となる2科目以外の科目についても,区分点差が同一の比率で縮小されるよう調整すること,ただし,その際にも,もとの点数を下げない,平均点の順序を保つという条件を課すこととした。
本年度は上記提言と工夫を実装したプログラムをRで作成し,過去の複数年にわたる実データに基づきその正当性や妥当性を検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストから適用される得点調整法については、令和5年2月8日より大学入試センターWebページで意見募集を開始した。新方式については異論がなく概ね、社会の同意が得られたものと思われる。新方式を実装したプログラムはRで開発されたが、業務システムに搭載すべくJavaプログラムへの移植を進めている。

今後の研究の推進方策

新方式を実装したJavaプログラムの動作検証と更なる安全性確保(フェイルセーフや冗長設計)を予定している。

次年度使用額が生じた理由

アルゴリズムの実装に際し、特段の計算機の購入を要さなかった。またコロナが完全に終息しなかったために会議が全てオンラインで実施された。ただし次年度は研究協力者の計算機の購入を計画している。共通テスト試験データは1年あたり50万人の受験者の平均6教科受験データを複数年分取り扱うために比較的大きなメモリ(32MB程度)のマルチスレッドの高機能CPUを有したパソコンが必要であるためである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 離散得点分布の分位点の推定誤差 ―スタナイン分位点に着目して―2023

    • 著者名/発表者名
      荘島宏二郎,石岡恒憲,大津起夫,宮澤芳光,橋本貴充,前川眞一
    • 雑誌名

      大学入試研究ジャーナル

      巻: 33 ページ: 106-112

    • 査読あり
  • [備考] 大学入学共通テスト得点調整の実施条件・方法の改善についての提言(得点調整検討部会審議のまとめ)

    • URL

      https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou/r7tokutentyousei_ikenbosyuu.html

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公開日: 2023-12-25  

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