テラヘルツ波は、次世代通信や車載レーダーなどにも応用が期待され、今回のテラヘルツ領域の光起電力効果は、検出器への応用として非常に大きな需要がある。この帯域の検出器はボロメータと呼ばれる熱感知型のものが一般に使われているが、液体ヘリウムによって冷却し熱雑音を取り除く必要があるのに加え、応答速度も非常に遅いという問題点がある。その点、今回の方法は冷却を必要とせず、応答速度もピコ秒にも到達しうる非常の短いものになる。またフォノンに注目したが、電気分極とカップルする素励起に対してこのアイディアが適用できる可能性が示唆され、基礎科学・応用の両面から重要な現象を明らかにできた。
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