本研究は、高磁場でも動作可能な超高感度の走査型熱顕微鏡を開発するという初の試みである。当初の計画通り、小型温度センサーはNbTiを含む超伝導接合によって成功した。しかし、センサーの機械的強度が不足しており、走査中に試料と接触すると状態が変化し、再現性に問題が生じた。さらなる改善が必要であるが、今後の研究指針を示す重要な成果を得ることができたと考えている。 本研究で用いたセンサー作製には、微細加工装置などの大型装置を利用する必要がなく、手作りで作製できるという特徴がある。これは、高額化する現代のモノづくりに一石を投じる意義もあると考えている。
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