研究課題
DT-ALPHAでは装置上流から下流に向けz軸を定義しており本研究の計測対象である再結合プラズマはz = 1.43 m 近傍に生成される.またz = 1.43 mと1.58 m間には長さ約0.13 mの多段オリフィスユニットが設置されている.本年度は昨年度に設計したシンブルプローブ(以下SP)の製作およびSPを用いた再結合プラズマの磁力線方向計測を実施した.SPは以降で述べる長尺ダブルプローブを製作・運用するための課題点を洗い出す機器と位置付けた.z = 1.43 mにて再結合プラズマが維持されている事を分光計測で確認しつつ,z = 1.58 mから1.85 mにかけてSPでの計測を行なった.z = 1.43 mでは体積再結合に起因する線放射や連続放射が明確に確認され,連続放射から得た電子温度は0.4 eV程度であった.ところが z = 1.58 mでは線放射・連続放射ともに観測されず再結合が進行しない事を示唆する結果となった.同位置にてSPで得られた電子温度は3 eV程度であり分光と矛盾しない結果であった.このようにz = 1.43 m から1.58 mにかけて2.5 eV程の電子温度増加が観測された.z = 1.58 mの下流では更に電子温度が増加しz = 1.7 m付近にて14 eV程度となった.また電子温度の増加率はオリフィス内部(z = 1.65 m付近)で急激に変化する事も分かった.この位置は軸磁場が急激に変化する位置に対応することから,磁場構造に関連した変化と考えられる.z = 1.7 mより下流では電子温度は単調減少し最終的に5 eV程度となった.この結果を踏まえSPよりも長尺なダブルプローブを設計・製作しDT-ALPHA装置へ取り付けた.SPでは外径が0.8 mmの絶縁管を用いたが,さらに低擾乱な計測を行うべく外径0.5 mmの絶縁管を採用した.
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Plasma and Fusion Research
巻: 19 ページ: -
10.1585/pfr.19.1201021
Physics of Plasmas
巻: 30 ページ: 1-8
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