研究課題/領域番号 |
22K18742
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
桑谷 立 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー (60646785)
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研究分担者 |
日野 英逸 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10580079)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | XRFコアスキャナ / 統計分布 / 可視化 / 地層対比 / 機械学習 / データ駆動 |
研究実績の概要 |
本研究は,XRFコアスキャナにより得られる大量の多元素カウントデータを活用して,データ駆動で地層対比を行うシステムの構築を目的とする.本年度は,当初実施計画中の【項目1】目的層の自動検出,を継続して取り組み,昨年度開発した手法の拡張を行うとともに,【項目2】複数コア間の対比,に関して,地層境界が与えられていない場合を想定して,新たな複数コア間の地層対比法の開発を試みた. 【項目1】について,昨年度開発した手法では,ガウス分布状の頻度を仮定した対比を行ったが,現実の多元素データは多様な分布形状をしている.そこで,本年度は,機械学習分野における最適輸送問題の知見を導入して,手法の高度化を試みた.様々な最適輸送に関するアルゴリズムを試してみた結果,人工データ解析では高い性能が確認された.その一方,東松島市で得られた津波堆積物層を含む掘削コアを用いた実データ解析では,従来手法に比べて性能が劣っていた.今後,実データ特有のノイズや不確定性に対する頑健性を向上させるべく,更なる手法の検討が必要な段階である. 【項目2】については,化学組成データの可視化の工夫により,複数コア間の地層対比を実現する新たな可視化手法の開発を試みた.この手法は,比較に用いる地層を並置したうえで,化学組成データ空間上で近接する深度ポイントを直線で結ぶことで,対比される地層やその境界を可視化する.人工データを使った試行では有効性が示されており,現在,実データを用いた有効性検証と手法改良を実施している途中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初研究課題の【項目1】に関する論文が出版済みである.また,【項目2】に関する開発手法についても,コンセプトの核となる部分は開発済みであり,人工データテストで有効性が確認されているため.
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今後の研究の推進方策 |
当初研究計画に沿った研究推進を継続する.具体的には,昨年度に開発した手法を基に高精度化を取り組んでいた【項目1】に関しては,研究リソース配分のウェイトを下げ,【項目2】に集中する方針をとる.【項目2】に関して,実データ解析を基にして,可視化の工夫を中心とした手法改良を継続すると同時に,今年度は,層序学的知見の導入を前提とした手法開発にも取り組んでいく.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していた業者へのプログラム開発委託について、検討した手法群の中からベストなものを絞り切れず、仕様策定を延期したため、次年度使用額が生じた.次年度の早期の段階で、同プログラムについて確実に仕様策定と発注を完了し、額を執行する予定である。
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