研究課題/領域番号 |
22K18745
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小原 良和 東北大学, 工学研究科, 教授 (90520875)
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研究分担者 |
辻 俊宏 東北大学, 工学研究科, 助教 (70374965) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 非破壊評価 / モード変換エバネッセント場 / 薄板中の微小欠陥 / 超解像映像法 / 超音波探傷 |
研究実績の概要 |
薄板部材の接合部の検査法として、欠陥からの散乱波(伝搬波)を用いる超音波フェーズドアレイの開発が長年行われてきたが、映像分解能が回折限界(λ/2)に制限され、微小欠陥検出は原理的に不可能だった。本研究では、従来法とは全く原理の異なる「モード変換エバネッセント場に基づく超解像可視化技術」を創出すべく、3D数値シミュレータの構築により、その発生挙動を解明する。さらに、接合部全体に効果的に横振動(面内変位)を発生させる方法を検討する。これにより、微小欠陥近傍で、モード変換の縦波エバネッセント場(面外変位)が発生する。これを、現場で求められる高SN比の実現に向けて、He-Neレーザより10倍感度の高い赤外レーザドップラ振動計の精密スキャンにより選択的に検出し、接合欠陥の超解像可視化を実現する。2023年度は、下記2項目を遂行した。
[1]3D有限要素数値シミュレータにより、実欠陥でのモード変換の縦波エバネッセント場(面外変位)の発生機構を解明し、装置設計の指針を得た。特に、広範囲を効果的に面内振動させる方法として、面内共振モードの利用が有望である知見を得た。一方、わずかな面外変位が励振音場に残存する可能性があるため、これについては空間周波数フィルタなどの適用が有望である知見を得た。 [2]ガルバノミラーで駆動する赤外レーザドップラスキャン装置に精密スキャン機構を導入し、モード変換の縦波エバネッセント場を用いた超解像映像法の実験的検証を行う準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3D数値シミュレータによる解析、ガルバノミラーで駆動する赤外レーザドップラスキャン装置に精密スキャン機構の導入が順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、前年度までの要素技術を融合し、超解像可視化技術を実装する。これを製造した試験片で実証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
高精度スキャン装置の構築について、低価格での作製に成功したため。尚、残予算は最終年度に予定されている実証試験を充実した形で行うために利用する。
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