研究課題
挑戦的研究(萌芽)
器官形成における組織弾塑性の適応的な制御機構と内部構造ゆらぎの役割を明らかにするため,細胞骨格から多細胞の三次元動態を解析するマルチスケールな数理モデリングに取り組んできた.特に,長時間の多細胞動態を扱うため,脂質や細胞骨格とその関連分子で構成される細胞膜の非平衡な動態を扱うため,非保存流体膜の数理モデルを構築した.この数理モデルを用いた数値シミュレーションにより,多細胞のアクティブな三次元力学動態を予測することが可能になった.
生体力学
長時間スケールにおける多細胞の三次元力学動態に関する理解は,胚発生,がん進展,創傷治癒など,幅広い生命現象に関わる根本的な課題の一つである.特に,器官形成における組織弾塑性の適応性は,多細胞の適応的な振る舞いを決定する重要な因子である.本研究では提案した新規の数理モデルは,このような多細胞の三次元力学動態を予測することを可能にし,幅広い生命現象に共通する原理的な理解に繋がると期待される.