研究課題/領域番号 |
22K18771
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 智博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70466788)
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研究分担者 |
王 振英 九州大学, 工学研究院, 助教 (20896633)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 金属液滴 / 温度計測 / 質量分析 / 発生ガス計測 / 凝縮相 / 連鎖分裂 |
研究実績の概要 |
近年,高温の液滴が自発的に10回も分裂を繰り返す『連鎖分裂』が発見・報告され,新たな熱流体現象として注目されている.しかし,現状では,連鎖分裂を駆動する,液滴内部で発生するガス種が不明なことから,なぜ連鎖分裂が発生するのか?という根本的な疑問すら未解明である.エネルギー変換効率に優れる連鎖分裂の工学的応用に向けて,本研究は,液滴温度と発生ガス種を同時計測可能な手法を開発するとともに,実現象に適用することで,連鎖分裂機構を解明することが目的である. 初年度は,グラインダーおよび手持ち花火から発生した,炭素鋼とチタンの金属液滴を対象に,輝度比(R/G)と温度の関係を校正した二色温度計測を実施した.融点が比較的低い炭素鋼について,液滴温度を非定常的に計測できることを確認した.その結果,液滴が分裂した直後に温度低下することが明らかになった.他方,融点が高いチタン液滴については,温度校正範囲の上限温度を上回り,定量的な温度計測が困難であった.並行して,マルチターン質量分析を用いたその場のガス種計測を試みた.これらの結果から,二色温度とガス種の新たな複合分析の実現可能性を示すことに成功した.同時に,凝縮相反応に起因する発生ガス種を特定するためには,同複合分析の効率化と,実験結果の分析についてさらなる改良の余地があり,次年度の課題を明確化した. 本年度の研究成果を,査読付き論文および学会発表を通じて公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調書の予定に従って,順調に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
調書の計画をさらに推進すべく,今後は複合分析の効率化を図る. 研究遂行にあたって問題はない.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,2022年度に開催予定されていた国際会議が2023年度に延期されたことで,初年度は計画よりも旅費への支出が少なかった.次年度は,同国際会議への参加を予定しており,次年度使用額とあわせて,旅費を支出することで,当初の予定通り予算を執行する予定である.
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