研究課題/領域番号 |
22K18783
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山西 陽子 九州大学, 工学研究院, 教授 (50384029)
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研究分担者 |
前田 真吾 東京工業大学, 工学院, 教授 (40424808)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 電界誘起気泡 / 金属析出 / 反応性界面 |
研究実績の概要 |
柔軟性や可塑性を有する材料内のより小さな局所的な空間にエネルギーを蓄得させる例は数少なく,本研究提案に依る局所電場勾配構築はより小さい空間に局所的により多くのエネルギーを蓄えるための新しい手法となり得る.本研究ではこれまでにないプラズマ誘起気泡内における高速反応性界面を利用し(1)局所合金析出技術の創生(パーマロイや形状記憶合金など),(2)局所電場勾配を作り出し電荷やイオンの流れを創生することを目標とし,研究を進めている. また本システムが安定に機能しゲルや生体組織などのソフトな材料に機能性材料を直接埋め込んで機能の明確な返り値を返すセンサーとしての役目を司るようになること,またそのような知能化した材料が持続性を有して動き続けるためのパワーソースとしての局所電場勾配付与などの実現をめざしている. 2022年度は,局所合金析出のための気液界面の析出の条件を絞り込み,合金の析出を目標に実験セットアップを行い計測を行った.2022年度は高透磁率材料であるパーマロイの析出に取り組んだ.パーマロイはニッケルや鉄単体の透磁率の約20-67倍の透磁率を有するという特徴がある.しかしながら,これらの材料のパターニングは,従来技術であるメッキ/無電解メッキやインクジェット等では,それぞれのプロセスに起因する材質・表面形状などの制限がある.今回電界誘起気泡による析出実験においてNiおよびFeのピークを確認し,プラズマ誘起気泡による複数金属の同時析出に成功した.従来の電解めっき法では,NiとFeの溶液比が1:1の場合,Feの析出割合が84%を占める一方,本実験ではFeの析出割合が気液反応性界面の状態によって変化しており,その機序解明と制御性について今後検証を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回電界誘起気泡による析出実験においてNiおよびFeのピークを確認し,プラズマ誘起気泡による複数金属の同時析出に成功した.研究課題項目の一つである局所合金析出技術の創生(パーマロイや形状記憶合金など)の達成見込みが高くなったため,概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではこれまでにないプラズマ誘起気泡内における高速反応性界面を利用し(1)局所合金析出技術の創生(パーマロイや形状記憶合金など),(2)局所電場勾配を作り出し電荷やイオンの流れを創生することを目標とし研究を進めている. 2022年度は電界誘起気泡による析出実験においてNiおよびFeのピークを確認し,プラズマ誘起気泡による複数金属の同時析出に成功した.ただし従来の電解めっき法では,NiとFeの溶液比が1:1の場合,Feの析出割合が84%を占める一方,本実験ではFeの析出割合が気液反応性界面の状態によって変化していることが確認された. よって2023年度は,その機序解明と制御性について今後も検証を行っていく.また(2)局所電場勾配を作り出し電荷やイオンの流れを創生することについても機能性材料をゲル内作成することでその効果について検証を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった物品納期が予想以上にかかり,結果として次年度に購入することになったため次年度使用額が生じている.研究進行においては影響はありません.
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