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2022 年度 実施状況報告書

次世代通信6G用弾性波デバイスに適した低減衰圧電材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K18786
研究機関東北大学

研究代表者

大橋 雄二  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (50396462)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード伝搬減衰 / 次世代無線通信 / 分極反転構造トランスジューサ / 結晶欠陥
研究実績の概要

本研究では、圧電基板として利用されるLiNbO3 (LN)、LiTaO3(LT)単結晶中に存在する結晶欠陥と吸収損失の関係を明らかにし、吸収減衰による損失改善を目指すことを目的としている。本年度はまずLN、LT単結晶の1-20GHz帯減衰係数測定を実現するために、20GHzまで対応するベクトルネットワークアナライザを購入し、高周波計測対応のプローバーと組み合わせて、装置のキャリブレーション法も含めて検討し、高周波帯の計測基盤を構築した。プローバーとキャリブレーション用パターンの接触具合やプローバーの浮遊容量等の補正パラメータの調整等、6GHzを超える周波数帯での計測の難易度は高くなるため、そのノウハウも構築した。また、6GHzを超える高周波での超音波励振を実現するため圧電基板の分極方向を反転させた直接接合圧電薄板のトランスジューサについても検討した。縦波を励振するための圧電単結晶基板として36Y-cutのLN基板を取り上げた。LNの分極の向きはc軸方向であるため回転Y板で分極反転構造を作製するにはc軸方向がジグザグになるように配置することになる。基板の接合方法としては、オプティカルコンタクト法よりも強固な接合となるように表面活性化による常温接合を利用する方向で準備を整えた。また、分極反転接合基板を被測定試料に接合するところは、トランスジューサの下地電極と接着層を併用できる金属拡散を利用した接合で実施することとし、その予備実験には成功している。以上から、高周波での伝搬減衰計測のための準備がおおよそ整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた20GHz帯までの高周波計測のための準備および、高周波超音波励振のための分極反転構造トランスジューサ作製方法の予備検討がおおむねできたことから計測の準備が完了した。このことから、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

被測定試料としてコングルエント組成のLN単結晶は準備できているので、今後は、ストイキオメトリ組成LN単結晶およびMgOをドープしたMgO:LNの準備を進めて計測を実施する。さらに、結晶欠陥と損失の関係を明らかにしてそのメカニズムについての検討を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

すでに所有していたCLNサンプルを利用して減衰測定法構築のための準備に重点を置いていたため、測定サンプル(SLN、MgO:LN等)の購入を進めていなかった。次年度は未使用額も利用して計測に必要なサンプル購入も進めながら課題解決を行なっていく予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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