真空絶縁破壊の発生メカニズム解明による装置の超高耐圧化の研究

2022 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 22K18798
• 研究機関: 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
• 研究代表者: 阿部 哲郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (70370070)
• 研究期間 (年度): 2022-06-30 – 2025-03-31
• キーワード: 真空絶縁破壊 / ブレークダウン / 超高耐圧化

研究実績の概要

真空には優れた電気的絶縁特性があり、それを利用した様々な機器が社会で役立っている。電力の安定供給に不可欠な真空遮断器は、その最たる例である。また、医療・産業等で広く使われている粒子加速器も、真空絶縁を利用した装置である。しかし、真空絶縁には、「真空絶縁破壊」（ブレークダウン）という大問題がある。持続的社会を実現するためには、環境負荷の少ない真空遮断器や粒子加速器の適用拡大が必要であり、そのためには、真空遮断器の高電圧化・大容量化・安定化や、粒子加速器のコンパクト化をはかる必要がある。本研究では、そのための起点となる真空絶縁破壊の引き金の解明を直接観察法によって目指す。
当該年度は、本研究の要となるデジタル高精度映像記録システムの開発、及び近赤外カメラの選定・試用を行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

真空絶縁破壊の引き金解明を目指した実験を行うための準備が順調に進んでいるため。

今後の研究の推進方策

開発中のデジタル高精度映像記録システムを使い、加速空洞内の直接観察を行って、真空絶縁破壊の引き金解明のための手がかり取得を目指す。

次年度使用額が生じた理由

デジタル高精度映像記録システムの開発において、その仕様の詳細を再検討した結果、より効率的な執行ができ、次年度使用額が生じた（費目別収支状況等では250万円の次年度使用額が記載されているが、本システム開発を200万円で発注・契約済みなので、実質的な次年度使用額は50万円）。その次年度使用額（50万円）は、観測実験で使用するカメラの台数・スペックの増強等に使用する。