• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

表面界面制御による雨滴発電の高効率化と雨でも発電する太陽電池への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K18807
研究機関名古屋大学

研究代表者

宇佐美 徳隆  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20262107)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード雨滴発電 / 太陽電池
研究実績の概要

本研究では、水滴が樹脂表面に接触し摩擦帯電する現象と、帯電した水滴が金属電極に接触した際の放電を利用した発電機を研究対象として、表面・界面の制御など高効率化のための要素技術開発を進めている。対象とする発電機は、透明導電性酸化膜を堆積させたガラス基板上へ、摩擦帯電膜と表面電極を製膜したものを基本構造とする。透明導電膜と表面電極には、いずれも高周波マグネトロンスパッタリング法により作製するスズドープ酸化インジウム薄膜を用いた。摩擦帯電膜としては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)フィルムを用いた。FEPフィルムは、水滴と接触することで摩擦電力を発生し、負電荷を蓄える材料として機能する。本年度は、水滴による発電性能の評価システムとして、定量の水を滴下した際に、表面の動画撮影と、電流および電圧測定が可能なシステムを構築した。発電性能向上に向けては、摩擦帯電膜の誘電率、表面電荷密度、摩擦帯電膜の膜厚、水滴の濡れ性(接触面積や表面滞留に関係)等を適切に制御することが要請される。そこで、下部電極とFEPフィルムの間へのエレクトレット材料の挿入、エレクトレット材料への電荷注入、ガラス基板表面のパターニングなどを着想し、その効果を検討した。エレクトレット材料としては、市販されている非晶質フッ素樹脂を用いた。その結果、エレクトレット材料による帯電電荷の増加と摩擦帯電膜の表面積増加により、標準試料と比較して高い発電性能が得られることを実証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究により、雨滴発電ガラスの性能評価システムを構築し、また高性能化メカニズムについての考察に基づき、いくつかのモデルデバイスを作製して性能評価を行うことで、高性能化に寄与する複数の要素技術についての知見を得ることができた。よっておおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、電極形状の改善など、未実施の要素についての調査を行うとともに、半導体ナノ構造形成プロセスを援用するなどして、各要素技術の改善を行う。さらに、太陽電池モジュールのカバーガラスに雨滴発電ガラスを用いた実証実験についても実施予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Performance enhancement of droplet-based electricity generator using a CYTOP intermediate layer2022

    • 著者名/発表者名
      Haitao Wang, Yasuyoshi Kurokawa, Kazuhiro Gotoh, Shinya Kato, Shigeru Yamada, Takashi Itoh and Noritaka Usami
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: 62 ページ: SC1032 1-6

    • DOI

      10.35848/1347-4065/acaca7

    • 査読あり
  • [学会発表] Boosting the output of droplet-based energy harvester by a CYTOP intermediate layer2022

    • 著者名/発表者名
      Haitao Wang, Yasuyoshi Kurokawa, Kazuhiro Gotoh, Satoru Miyamoto, Shinya Kato, Shigeru Yamada, Takashi Itoh, Noritaka Usami
    • 学会等名
      第83回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] Performance enhancement of droplet-based electricity generator using a CYTOP intermediate layer2022

    • 著者名/発表者名
      Haitao Wang, Yasuyoshi Kurokawa, Kazuhiro Gotoh, Satoru Miyamoto, Shinya Kato, Shigeru Yamada, Takashi Itoh, Noritaka Usami
    • 学会等名
      2022 International Conference on Solid State Devices and Materials
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi