本研究では、伝搬方向によって異なる独立した座標系を与える非相反座標変換媒質の構成理論を構築した。その媒質で構成する非相反透明マントを設計し、その動作を数値的に検証した。まず、複数のジャイレータで構成される非相反集中定数素子を考案し、それを用いて非相反性2次元異方性媒質モデルの回路トポロジーを提案した。更に、提案する2次元非相反異方性媒質を用いてカーペットクロークを設計し、数値散乱シミュレーションにより、入射角度45度の入射ビームに対してはあたかもこぶがない鏡面反射をするが、入射角度が-45度の入射ビームに対してはこぶによる散乱が見られるという、非相反透明マント媒質の動作を確認した。
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