本研究の目的は、冷却システムを必要としない超伝導モビリティの実現に向けた蓄冷システムの開発である。超伝導モータは、従来のモータでは為し得ないほどの出力密度を達成し得るため、大型旅客機の電動化の唯一解とされるほどの期待を受けている。一方、超伝導モータの運用では、超伝導部を低温に保ち続けることが不可欠であり、それにかかる冷却システムの重量は、その成否を左右する重大な課題となっている。そこで本研究では、比熱の高い固体窒素と熱伝達流体の組み合わせた高機能蓄冷材を開発し、超伝導モータへの適用可能性を実証することで、冷却システムの搭載を必要としない夢の超伝導モビリティの実現可能性を提示することに挑戦した。
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