本研究では、室温近傍で絶縁体-金属相転移を示す二酸化バナジウム(VO2)と二次元半導体をヘテロ構造化させることで、周波数を変調可能な振動子の作製を試みた。本研究では、物理気相成長法によって任意の基板上に転写可能なVO2ワイヤをSi/SiO2基板上に合成することに成功した。さらに、実際にVO2ワイヤを二次元半導体の一種であるMoS2上に転写し、VO2を電極、MoS2をチャネル、Siをゲートとする電界効果トランジスタを作製することに成功した。この構造を用いればMoS2トランジスタにゲート電圧を印加することでVO2の相状態を変調できる可能性があり、ゲート変調可能な相転移振動子の実現も期待できる。
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