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2022 年度 実施状況報告書

マイノリティ微生物によるマジョリティ機能の誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K18820
研究機関群馬大学

研究代表者

伊藤 司  群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80431708)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード相互作用 / 多様性 / 脱色 / メタボローム / 持続可能
研究実績の概要

一般的には存在割合1%の細菌A(マイノリティ)は存在割合99%の細菌B(マジョリティ)に対してほとんど影響を与えないように思えるかもしれないが、本研究では、この存在割合1%のマイノリティ細菌Aが存在割合99%のマジョリティ細菌Bの機能向上効果(速度向上、早期機能発現、持続性向上)をもたらすメカニズムを解明することが目的である。
初年度は、まず染料脱色アッセイを存在比1%(もしくはそれ以下)が99%の存在へ影響を与えているか評価することに利用でき、この染料脱色アッセイによって、培養系の活性を非破壊で経時的に評価することができた。また、微生物2者混合状態から両微生物を分離する方法として、当初予定のフィルター分離法より分離効率の高い透析膜法を2種類開発し、染料脱色アッセイと組み合わせることができた。この透析膜法は2者を空間的に分離できるため、より深い機構解明につながる。
以上の実験手法を用いた結果、当初予定では評価条件として設定するマイノリティとマジョリティの存在比は1%と99%であったところを、マイノリティの存在率をマジョリティの100万分の1まで小さくすることができ、この条件でもマイノリティの存在がマジョリティに与える効果を確認することができた。
今後は染料脱色アッセイを用いて、二者混合培養(フィルター分離法)および二者空間分離培養(透析膜法2種類)を行い、マジョリティ細胞の遺伝子発現と代謝解析から、マイノリティ細菌がマジョリティ細菌に及ぼす影響を調査する。マイノリティ細胞についても同様の調査を行う。これらの調査から、両細胞の接触の必要性や存在比の影響、物質移動速度などの情報を得る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

染料脱色アッセイを存在比1%(もしくはそれ以下)が99%の存在へ影響を与えているか評価することに利用できた。この染料脱色アッセイによって、培養系の活性を非破壊で経時的に評価することができた。
微生物2者混合状態から両微生物を分離する方法として、当初予定のフィルター分離法より分離効率の高い透析膜法を2種類開発し、染料脱色アッセイと組み合わせることができた。

今後の研究の推進方策

染料脱色アッセイを用いて、二者混合培養および二者空間分離培養(透析膜法2種類)を行い、マジョリティ細胞の遺伝子発現と代謝解析から、マイノリティ細菌がマジョリティ細菌に及ぼす影響を調査する。マイノリティ細胞についても同様の調査を行う。これらの調査から、両細胞の接触の必要性や存在比の影響、物質移動速度などの情報を得る。

次年度使用額が生じた理由

2者培養系の細胞分離のための効率的な方法を開発することを優先し、年度末に予定していたRNA-Seq解析を次年度に持ち越したために生じたものである。次年度前半に予定通り使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Minority Population of Non-dye-decolorizing Bacillus subtilis enhances the Azo Dye-decolorizing Activity of Enterococcus faecalis2022

    • 著者名/発表者名
      Yamanashi Yu, Ito Tsukasa
    • 雑誌名

      Microbes and Environments

      巻: 37 ページ: n/a~n/a

    • DOI

      10.1264/jsme2.ME21080

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マイノリティの非脱色細菌によるマジョリティ細菌の脱色活性の向上2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤司、尾崎晃基、山梨由布
    • 学会等名
      第25回 日本水環境学会シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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