研究課題/領域番号 |
22K18827
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
幡本 将史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20524185)
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研究分担者 |
平片 悠河 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 産総研特別研究員 (50887164)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 活性汚泥 / 原生動物 / フィルター / ろ過 / バクテリア / フロック / 後生動物 |
研究実績の概要 |
本研究では、サイズ分画による前処理法を開発し、活性汚泥中の微生物の解析を行う手法の開発を行った。昨年度決定した各種フィルター分画による細胞回収を活性汚泥に適用し解析を行った。大型の後生動物であるRotifera(ワムシ類)は、10μm 以上で多数検出されたが、 5μmフィルター濾過かでは検出されなくなった。一方、藻類の一種とされる光合成をしない従属栄養性生物は5μmのフィルター濾過のサンプルでのみ多数検出され、サイズによって検出できる種が変化していることが明確になった。その他にも10μmのフィルター濾過までは検出できるグループと、5μmのフィルター濾過のサンプルで検出割合が増加するグループが存在しており、これらの結果から、活性汚泥では10 μmと5 μmがサイズ分画の一つの境目である可能性を見いだした。また、大型の微生物が多数存在している担体を用いた生物膜法のサンプルについても本手法で解析を行った。その結果、環形動物や線虫類など大型で個体数が他の原生動物と比較して少ない生物については、直接カウントとの差やフィルター濾過の再現性を得ることが困難な場合があった。これまでは、検鏡による分析で調査していた原生動物の群集解析について、フィルターを用いる事で微小サイズの種についても詳細に存在が調査できる用になった。また、原核生物についてもフィルター濾過を行う事で、微小細菌と呼ばれる未培養微生物群が検出される様になる事を明らかした。以上の結果、本研究により、今まで行われていた全ての微生物をまとめてDNA抽出して解析する手法が微生物群全体を正確に反映していない可能性が明らかになった。
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