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2022 年度 実施状況報告書

科学的発見「木材はハイブリッド軸材の母材として優れた特性を備えている」の実証実験

研究課題

研究課題/領域番号 22K18848
研究機関鹿児島大学

研究代表者

塩屋 晋一  鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80170851)

研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2025-03-31
キーワード自然循環型材料 / 木質構造 / カーボンニュートラル / ハイブリッド部材 / 長期性能 / 高温環境 / 高湿度環境 / 曲げ強度
研究実績の概要

科学的発見「木材はハイブリッド軸材の母材として、熱膨張率や木の含水に伴う収縮の影響を、柔軟に吸収する特性を備えていること」を実証するために縮尺1/3の梁の加力試験を実施した。下記の事項が明らかになった。
1)鉄筋を補強材料とするハイブリッド軸材の鉄筋集成材の梁を、常温環境と電気炉内の高温環境下において、曲げ剛性と降伏強度および曲げ耐力を明らかにして、両者を比較して上昇に伴う曲げ剛性と降伏強度および曲げ耐力の変化を明らかにして、それらの評価方法を明らかにした。温度は、常温と、日本国内の最高温度を想定した45℃、夏場の屋根裏の温度を想定した70度、二時間耐火構造の被覆で覆われた鉄筋集成材の梁の温度を想定した90℃の4種類の温度レベルを設定して実験を実施した。
2)曲げ剛性と曲げ耐力は、木と鉄筋の熱膨張係数の違いを考慮しなくても、温度上昇に伴う木の曲げヤング係数と曲げ強度の低下を考慮して評価できることを明らかにした。
3)比例限界に相当する降伏曲げモーメントは、その熱膨張係数の違いの影響を受けて、温度が上昇すると低下することを明らかにした。
4)その降伏曲げモーメント時の熱膨張係数の違いによる内部応力は、既に提案している推定式でおおむね推定できることも確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

温度の上昇による鉄筋集成材の曲げ剛性と降伏曲げモーメントおよび耐力の評価方法を整備する実験データを測定できた。それらの評価方法も目途が立った。今後は、木の温度変化に伴う曲げ剛性と強度の変化の既往のデータ収集と追加の検証試験を行い、設計で利用できる評価方法を整備するのみとなった。
令和5年度以降は、湿度の変化に伴う木の伸縮の影響を明らかにすることになる。当初の予定より順調に実験を遂行できて木と補強材の鉄筋の熱膨張係数の違いの影響を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

1)温度の上昇に伴う場合の梁の曲げ剛性と曲げ強度の評価方法を整備して、設計で用いる方法を提案する。
2)平成5年度以降は湿度の変化に伴う木の伸縮により変動しうる鉄筋集成材の梁の曲げ剛性と曲げ強度の変化を加力試験で明らかにして、それらの評価方法の開発を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 高温下における鉄筋集成材梁の降伏モーメントと曲げ耐力に関する実験的研究 その 1. 室温時における梁の加力試験とその結果2023

    • 著者名/発表者名
      松岡直、塩屋晋一、松下静香、植野緑彩
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告 第 62 号、構造系
  • [学会発表] 高温下における鉄筋集成材梁の降伏モーメントと曲げ耐力に関する実験的研究 その 2. 温度上昇に伴う力学的特性の変化とその評価2023

    • 著者名/発表者名
      植野緑彩、塩屋晋一、松岡直、松下静香
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告 第 62 号、構造系
  • [学会発表] 高温下における鉄筋集成材梁の降伏モーメントと曲げ耐力に関する実験的研究 その 3. 鉄筋の温度応力と降伏モーメントの推定2023

    • 著者名/発表者名
      植野緑彩、塩屋晋一、松岡直、松下静香
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部研究報告 第 62 号、構造系

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公開日: 2023-12-25  

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