研究課題/領域番号 |
22K18870
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 弘誠 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90551383)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 外れ予測 / アンサンブル予測 / 豪雨予測 / 線状降水帯 |
研究実績の概要 |
本研究では,アンサンブル予測情報を高度に活用した線状降水帯豪雨の発生・継続リスク情報を創出することを目的として,予測更新に伴う予測不確実性増幅増大指標GFUを考案し,実利用可能性を検討した.雲解像モデルCReSSを用いて独自に実施したアンサンブル予測計算データ,および,2019年より現業配信されている気象庁メソアンサンブル(MEPS)を用いた解析をそれぞれ行い,近年発生した線状降水帯豪雨を対象として水蒸気流入の上流域における水蒸気予測のGFUと降水予測の外れ方の比較を行った.その結果,前線本体に付随する大きなスケールの線状降水帯豪雨ではGFUを用いることで“予測が外れること”を確かに予測できることを示し,現業のMEPSを用いて予測が過小側に外れるリスクがあるという心構えの情報を半日程度前から出すことができることを示した.一方,局所的なバックビルディング型の線状降水帯豪雨(メソ対流系)の場合,予測モデルの水平解像度が重要であり,現業のMEPSから算出したGFUでは予測可能性は比較的低いものの,高解像度のアンサンブル予測データを用いることで予測可能性が向上することが期待できることも示した. 一般市民とのワークショップを実施し,新たな防災情報としての価値に関して議論を行い,継続的に連携をとって手法をブラッシュアップすることになった. その他,国土交通省近畿地方整備局とも連携をはかり,実用化に向けた議論を進め,システム構築にあたってGFUを利用した情報をリアルタイムで利用する可能性について検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の根幹をなすアイデアである「過去からの予測がどのように変化してきたかという予測情報の更新履歴を見る」ための指標GFUを作成することができた.また,異なるスケールの現象を対象として評価したこと,独自のメソアンサンブル予測と気象庁の現業メソアンサンブル予測を比較したこと,など,十分な成果があったと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
大きなG-FUIが発生した際のアンサンブル予測の各メンバーにおける積乱雲群間の相互作用におけるマルチフラクタル解析を行い、自己組織化への状態遷移を決定づけるフラクタルの素因を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表としての学会参加を次年度以降に変更した.
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