代表者らが開発したCoCrGaSi形状記憶合金は冷却時に無拡散的に母相→マルテンサイト(M)相→母相の挙動を示し、冷却による形状記憶効果および新規固体冷媒材料など、応用への期待もされているが、CoCrGaSi合金はコストが高いため、本研究は低コストであるMnZn合金に注目した。本研究によって、MnZn合金はbcc→hcpタイプの無拡散型相変態を示すことを見出し、低温ではbcc相とhcp相の相安定性の逆転現象も見つかっているが、非熱弾性型変態および部分的な拡散変態のため、リエントラントM変態とはならなかった。また、MnZn2元系を系統的に調査したことで、平衡状態図を実験的に決めることができた。
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