研究課題/領域番号 |
22K18885
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北田 敦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30636254)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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キーワード | 金属電析 / グライム / スカンジウム / 濃厚塩化カルシウム水溶液 / 分離回収 / 銀 / スズ |
研究成果の概要 |
非水溶媒を用いたスカンジウム電析に挑戦した。溶媒として安全性が高く安価なグライム類に注目した。塩化スカンジウムのグライム類への溶解度は,最大0.3 mol/L程度であることが明らかとなった。電気化学測定においてスカンジウム析出に対応すると思われる微小電流を観測したが、定常的に大きな電流を得るには至らなかった。金属スカンジウムのバルク析出に関してさらなる検討が必要である。 また、金属電析における一般的課題として、排水処理や使用後の浴からの金属成分の相互分離回収があげられる。ケーススタディとして、濃厚塩化カルシウム水溶液をベースとしたスズ-銀合金電析浴を新規に設計し、金属成分の選択的回収に成功した。
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自由記述の分野 |
材料工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属スカンジウムはアルミニウムに少量添加することで機械的強度や溶接性を飛躍的に高めることのできる大変有用な金属である。しかし現状の金属生産方法は高温乾式プロセスに限られ、中低温での湿式プロセスについての検討はほぼなされていなかったため、溶解度や電気化学特性に関する基礎データを収集できたことの学術的意義は大きい。 新しい電解液を考える上では、SDGsを念頭に置いた、配位子の分解を必要としない、より簡便かつ省エネルギーな廃液処理および有価金属回収に資する浴設計も必要である。この点で、濃厚塩化カルシウム水溶液をベースとするめっき液において分離回収が可能であることを示せたことは社会的に意義がある。
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