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2022 年度 実施状況報告書

導電セラミック複合材料の設計指針:パーコレーション閾値の低減への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K18901
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

武藤 浩行  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20293756)

研究分担者 TAN WAIKIAN  豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (10747695)
研究期間 (年度) 2022-06-30 – 2024-03-31
キーワード導電性セラミックス / コアシェル複合顆粒 / 顆粒化
研究実績の概要

粉末をプレス成形して、焼結することでバルク体を製造する粉末冶金技術は産業界では汎用的に用いられモノづくりの基本となっている。さらに、マトリックスに添加物を分散させ複合化させることで、更なる特性向上が見込まれる(複合材料)。従来の複合材料の作製プロセスでは、マトリックス粒子と添加粒子を機械的に混合し「均一に」添加物が分散した微構造を目指すことになるが、ある規則性を持った配列で添加物を導入することは不可能である。例えば、セラミックスに導電性を付与したい場合、電気伝達のための経路(パーコレーション構造)を導入する必要がある。この場合、「均一」に導入しても意味がなく、添加物を連続的に「偏析」させて効率よく連続相を確保することが重要となる。本研究では、このように、より少ない添加量(パーコレーション閾値の低減)で、確実なパーコレーション構造をデザインすることができる革新的な粉末冶金プロセスの確立に挑戦している。
初年度はパーコレーション構造導入のために重要な基本要素である顆粒の品質向上を目指した。導電性に関与しないコア部(セラミック粒子)と導電性を付与するシェル部(セラミックス粒子と導電性ナノ物質)から構成されるコアシェル複合顆粒を作製した。特に、単分散性、充填性を確立するための基礎検討を行なった。導電性物質であるカーボンナノチューブの分散技術を確立できたことで、単分散性の高いコアシェル複合顆粒を作製することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画した構造のコアシェル複合顆粒を作製することができており、加えて導電物質の添加量の制御方法も確立しつつあることから予定を上回り前倒しで進捗している。

今後の研究の推進方策

導電性物質の添加量をさらに低減するためには、コアシェル複合顆粒のコア部とシェル部の割合を自由に制御する必要がある。そこで当初計画では想定していなかったが、焼結体の作製と並行して、コアシェル顆粒のさらなる構造制御にも取り組む計画である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた消耗品類の納品が遅れたため今年度に繰越が生じたが研究計画自体の変更は不要であった。本年度は昨年度購入予定であった消耗品を用いて研究を加速させる計画である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A Novel Controlled Fabrication of Hexagonal Boron Nitride Incorporated Composite Granules Using the Electrostatic Integrated Granulation Method2023

    • 著者名/発表者名
      Nakazono Taisei、Yokoi Atsushi、Tan Wai Kian、Kawamura Go、Matsuda Atsunori、Muto Hiroyuki
    • 雑誌名

      Nanomaterials

      巻: 13 ページ: 199~199

    • DOI

      10.3390/nano13010199

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ordered arrays of electrostatically assembled SiO2?SiO2 composite particles by electrophoresis-induced stimulation2022

    • 著者名/発表者名
      Muto Hiroyuki、Amano Takahito、Tan Wai Kian、Yokoi Atsushi、Kawamura Go、Matsuda Atsunori
    • 雑誌名

      Journal of Sol-Gel Science and Technology

      巻: 104 ページ: 548~557

    • DOI

      10.1007/s10971-022-05854-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Controlled formation of carbon nanotubes incorporated ceramic composite granules by electrostatic integrated nano-assembly2022

    • 著者名/発表者名
      Muto Hiroyuki、Sato Yusaku、Tan Wai Kian、Yokoi Atsushi、Kawamura Go、Matsuda Atsunori
    • 雑誌名

      Nanoscale

      巻: 14 ページ: 9669~9674

    • DOI

      10.1039/D2NR01713J

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Carrier Gas Flow Rates on the Structural and Optical Properties of ZnO Films Deposited Using an Aerosol Deposition Technique2022

    • 著者名/発表者名
      Toe May Zin、Tan Wai Kian、Muto Hiroyuki、Kawamura Go、Matsuda Atsunori、Yaacob Khatijah Aisha Binti、Pung Swee-Yong
    • 雑誌名

      Electronic Materials

      巻: 3 ページ: 332~343

    • DOI

      10.3390/electronicmat3040027

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ナノ・ミクロ・マクロ領域を制御するための粉末冶金プロセス2023

    • 著者名/発表者名
      岩田 康希, 寺口 海斗, 横井 敦史, 河村 剛, 松田, 厚範, Tan Wai Kian, 武藤 浩行
    • 学会等名
      日本セラミックス協会 2023年年会
  • [学会発表] 焼結性改善を目的とした複合粒子の作製2023

    • 著者名/発表者名
      藤城 克己, 横井 敦史, 河村 剛, 松田 厚範, Tan Wai Kian, 武藤 浩行
    • 学会等名
      日本セラミックス協会 2023年年会
  • [学会発表] 粉末ができること セラミックスの高機能化、高特性化を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      武藤浩行
    • 学会等名
      2022年度 日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] ナノ-ミクロ-マクロ領域をマルチスケールで制御するための粉末冶金技術2022

    • 著者名/発表者名
      武藤浩行
    • 学会等名
      一般財団法人日本鉱業振興会主催の第4回講演会(新材料部会研究会)
    • 招待講演
  • [学会発表] 粉末集積技術によるセラミック材料のマルチスケール組織設計2022

    • 著者名/発表者名
      武藤浩行
    • 学会等名
      日本セラミックス協会関西支部 2022年度支部セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 熱伝導パーコレーション構造を有するセラミックス複合材料の開発2022

    • 著者名/発表者名
      中園大聖, 横井敦史, 河村 剛, 松田厚範, Tan Wai Kian, 武藤浩行
    • 学会等名
      無機マテリアル学会 第145回 学術講演会
  • [学会発表] Fabrication of Monodispersed Spherical Composite Granules by Electrostatic Integrated Granulation of Nanopowder Suspension2022

    • 著者名/発表者名
      Koki Nakamura, Atsushi Yokoi, Go Kawamura, Atsunori Matsuda, Tan Wai Kian, Hiroyuki Muto
    • 学会等名
      The World PM2022 Congress & Exhibition
    • 国際学会
  • [備考]

    • URL

      https://ion.ee.tut.ac.jp/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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