ポリエステルの炭素資源としての利用を目的として、不活性なC-O結合の変換反応の開発を進めた。まずアルキルエステルの変換を可能とする触媒系の開発をすすめたところ、担持金ナノ粒子触媒がジシラン存在下においてエステル中の安定なC-O結合を効率的にC-Si結合へと変換し、対応するアルキルシランを高収率で与えることを明らかにした。触媒表面の分析や速度論的な反応機構解析を詳細に行った結果、金ナノ粒子と担体が協働することで目的のC-O結合変換が効率的に進行することを明らかにした。さらに本手法を用いることでポリエステルなどの高分子化合物から有機ケイ素化合物モノマーを合成できることも明らかにした。
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