本研究では、農薬や遺伝物質を封入したキャリア粒子を合成し、植物病原菌の防除効果を検討した。その結果、siRNAを封入したエクソソームが植物細胞内に取り込まれ、サイレンシング効果によりGFP遺伝子の発現が抑制されることを明らかにした。また、RNAを封入した生分解性ポリマーPLGAナノ粒子では、未封入の場合と比べて1/10程度のRNA量で病害虫の防除効果が得られることも明らかにした。さらに、農薬原体を封入したPLGAナノ粒子では、植物病原菌に対して市販農薬と比較して90%減農薬できることを明らかにした。以上より、キャリア粒子を用いた農業分野における農薬送達システムの有用性が示唆された。
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