本研究で開発したKCS-27は両親媒的な分子のみを選択的に層間に吸着するという特異な吸着特性を示し、3 wt%という希薄なエタノール溶液からあたかも抽出するかのようにエタノールを分離・濃縮できるというこれまでに無い物性を示す材料である。このような新しい物性・性能を示す新規材料の開発の学術的な意義は大きい。 さらにこの新しい材料を利用した新しい発想のアルコール濃縮プロセスは、バイオエタノール生産をこれまでの大規模集約型から地域特有のバイオマス資源を有効活用できる地域分散型プロセスへと大きく転換することができ、経済的にも実現性の高いプロセスとすることができるという点で社会的にも意義深い。
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