リン原子ナノ構造の創成は、電子工学、光学、エネルギー分野において有望であり、幅広い応用が期待される新しい材料である。従来報告された黒リンナノリボンの合成に関する研究では、黒リン結晶をアンモニア中で還元剤によりエッチング・分解させるトップダウンの手法のみが報告されている。しかしながら、このトップダウンの手法ではエッチングがランダムに起こるため、幅が10nmから数μmと非常に大きな分布を持ちナノリボンの幅を制御することができない。本研究では原理的に分子スケールでの極細幅を制御できる前駆体を出発物質とする新しいボトムアップ合成法、レーザー誘起固相反応法を提案し、実証することを目的とした。
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