本研究では、トポロジカルな磁気秩序構造と結びつく半導体中のキャリア輸送に着目し、巨大な異常ホール応答を実現するトポロジカル磁性半導体の開拓を目指した。特に、三角格子磁性半導体EuAsについてEuをGdで置換したEu1-xGdxAsの薄膜作製と輸送評価をx=0.03まで系統的に行った。その結果、わずかな元素置換によって、磁気輸送特性が劇的に変化する振る舞いが明らかになった。また、Eu-Asの二元系化合物において磁性半導体的な振る舞いを示す新物質を発見することに成功し、X線構造解析や電子顕微鏡観察によって、この新物質の組成と格子構造を明らかにした。
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